【障害年金】発達障害も受給できる

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4月2日から今日(2022年4月8日)まで、厚生労働省が定める「発達障害啓発週間」です。

発達障害啓発週間

発達障害による日常生活の困難や働く上での困難がある方は、条件をみたす場合には障害年金をうけとることができます。

「発達障害」は生まれつきの特性

発達障害は生まれつきの特性です。

本人の努力不足や親の育て方が原因となるものではありません。

生まれつきの特性により発達障害をもつ本人自身が、日常生活をおくる上で困難をかかえていたり、働く上での困難をもっています。

「発達障害」とは
生まれつきの特性です 発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通しています。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
自閉スペクトラム症とは コミュニケーションの場面で、言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手です。また、特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりします。また、感覚の過敏さを持ち合わせている場合もあります。
注意欠如・多動症(ADHD)とは 発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)といった特性があります。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もあります。
学習障害(LD)とは 全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の学習のみに困難が認められる状態をいいます。

みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)から作成

発達障害・知的障害、どちらも生まれつきの特性だが「初診日」のあつかいが異なる

発達障害と知的障害は、どちらも障害年金の対象となります。

障害年金の請求にあたっては、どちらも精神の障害の診断書を提出します。

生まれつきの特性ということでは、発達障害と知的障害はどちらも同じです。

発達障害と知的障害はどちらも生まれつきの特性なのですが、障害年金の請求にあたっては、「初診日」のあつかいが異なりますので、注意が必要です。

初診日 初診日の証明 保険料納付要件 障害年金をうけられる障害の程度 障害年金をうけとる年金制度
知的障害 出生日 必要ない 問われない 1級・2級 国民年金(20歳前障害)
発達障害 初診日 必要ある 問われ 1級・2級(初診日に厚生年金に加入していれば3級でも可) 初診日に加入していた年金制度、国民年金か厚生年金(または国民年金と厚生年金の両方)

障害年金を請求するにあたっては、知的障害の初診日は生まれた日になります。

(障害認定日は20歳の誕生日の前日です。)

20歳前に初診日があるので、国民年金保険料の納付要件が問われません。
国民年金の保険料を払っていなくても知的障害による障害年金をうけることができます。

知的障害による障害年金は国民年金(障害基礎年金)をうけとることになり、障害等級が1級か2級に該当する程度の障害の状態であることが必要です。

発達障害の初診日は発達障害の症状によって初めて受診した日です。
(知的障害をともなう方は、知的障害の初診日である出生日が初診日)

知的障害をともなわない方が発達障害の症状によって初めて受診した日が20歳(誕生日前日)以降であった場合には、20歳以降に初めて受診した日が初診日です。

発達障害の症状によって初めて受診した日が20歳前でしたら保険料納付要件が問われませんが、初診日が20歳(誕生日前日)以降であれば国民年金保険料の納付要件が問われます。

また、発達障害による障害年金は、20歳前後をとわず初診日に厚生年金に加入している方は、国民年金と厚生年金の両方から障害年金をうけることができます。

3級の障害等級に該当する程度の障害の状態の方は、国民年金(障害基礎年金)をうけとることはできませんが、初診日に厚生年金に加入している方は3級の障害厚生年金をうけとることができます。

出生日が初診日とされる知的障害では初診日に厚生年金に加入していることはありませんので、3級の障害の状態では障害年金をうけとることができません。

発達障害・知的障害はどちらも生まれつきの特性ですが、「初診日」のあつかいが異なりますので、障害年金を請求するうえで注意します。

発達障害による障害年金の認定基準

障害年金の障害認定基準では、精神の障害は6つに分類されています。

その6つの分類の1つに「発達障害」があり、認定要領がさだめられています。

障害認定基準での精神の障害の区分
統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
気分(感情)障害
症状性を含む器質性精神障害てんかん
知的障害
発達障害

精神の障害の程度は、その原因、諸症状、治療及びその病状の経過、具体的な日常生活状況により、総合的に認定するものとされています。

障害
等級
障害の程度
1級 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加え ることを必要とする程度の障害を残すもの、及び労働が制限を受けるか又は労働に制限を加え ることを必要とする程度の障害を有するもの

発達障害による障害の認定

障害年金における発達障害による障害の程度の認定は、障害認定基準でさだめられています。

1 発達障害とは 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。
2 発達障害についての認定 たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。

また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

3 発達障害の初診日 通常低年齢で発症する疾患であるが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が 20 歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とする。

発達障害による障害の状態、障害等級1級・2級・3級に該当する程度の障害の状態について一部例示されています。

障害の程度 障害の状態(一部例示)
1級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
3級 発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

社会的な適応に困難が発生する発達障害の特性に着目して、「日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める」とされています。

働いているからということでただちに日常能力が向上したものととらえずに判断することとされています。

就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。
したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること
とされています。

1人の人間として幸せに生きる権利はだれでも持っています。

発達障害による症状で生活や仕事をする上で困難な状態にある方は、障害年金をうけとることで生活の安定、無理をしない範囲で働くことをめざすことができます。

1人の人間として幸せに生きるために、障害年金をうけとることも検討してみてはいかがでしょうか。

【編集後記】

新しくなったiPadAir(第5世代)が届いてから10日。
だいぶ使い慣れてきました。
PDFファイルのViewerとしての使い心地も思っていたよりも快適です。
Viewerとしての使い勝手はPDFのアウトライン(しおり)作成しだいという感じです。
PDFのアウトライン作成と階層化にはiOSアプリ「PDF Expert」が重宝しています。
来週は「PDF Expert」を使った階層化したPDFのアウトライン作成方法を紹介したいと思っています。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ56歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  

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