仕事中にケガをした。“労災じゃない”と言って労災保険請求書の証明欄に会社が記入してくれない❗️

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会社の事務所の床にLANケーブルをカバーしたモールが出っ張っていて、歩いているときにモールに引っかかり転んで、足の骨を折ってしまいました。

労災申請するために労災保険の請求書に記入して、事業主が記入する箇所への記入をお願いしました。

“前を見ないで歩いてケガしたんだ。お前の不注意によるケガで労災ではないから、記入しない”と社長(会社)に言われてしまいました。

たしかに、労災保険請求書の記入例には「事業主の証明が必要です。」と書いてある・・・

様式8号

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様式第8号  休業補償給付の請求・申請書

休業補償とは、業務上の自由でケガや病気の療養で仕事ができず給料が受け取れないときに、給料の約6割+2割=8割のお金を労災保険から受け取ります。

労災保険から4日目から受取り、3日目までは会社から給料の約6割を受け取ります。

労災保険請求書の証明欄に会社が記入してくれなくても、労災保険の請求ができます

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Q.労働者が業務中に傷病を負いましたが、会社(事業主)が責任を認めません。労災保険の給付は受けられるのでしょうか。

A.労災保険の給付は受けられます。

労働者が事業(又は通勤)により負傷した場合などには、労働者本人が労働基準監督署に労災保険給付の請求を行い、当該請求に基づいて労働基準監督署長が支給・不支給の決定を行いますので、労災として認められるかどうかは事業主が決めるわけではありません。また、労災保険は使用者の無過失責任を原則としていますので、業務と傷病との間に相当因果関係が認められれば、労災保険給付が行われます。

なお、会社が事業主証明を拒否するなどで、事業主証明が得られない場合であっても、労災保険の請求はできますので、労働基準監督署にご相談ください。

労災保険に関するQ&A 厚生労働省

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労災保険請求書の事業主の証明欄への記入は、被災(労災に遭った)労働者が労災保険請求するのに会社は協力しなさい!ということ(趣旨)

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労働者災害補償保険法施行規則
(事業主の助力等)
第二十三条 保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。
2 事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。

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労災保険請求書の記入例に「事業主の証明が必要です」と書いてある趣旨は、労災申請する労働者に事業主は協力しなさいということです。

労働基準監督署の窓口で“事業主の証明印をもらってきてください”と言われた場合も、
事業主の証明がもらえないと労災保険請求できませんと言っているわけではありません。

間違っても、事業主(会社・社長)が労災(労働災害)だと証明することが、労災保険請求の条件ではありません❗

 労災認定するのは労基署長なので、会社(社長)がどう考えるかは関係ありません。労災保険の請求書を労働基準監督署に提出しましょう

(1)表題  “請求用紙の事業主証明欄が空白のまま労災請求書を提出することについて”など
(2)書類提出年月日
(3)宛先  □□労働基準監督署長殿
(4)提出者 請求人□□□□(氏名) 印
(5)内容  事業主証明を拒否されたことの事実(いつ、誰に、何と言われたか、など簡潔に)
(6)(5)を理由として事業主証明欄を空白のままで労災請求することとしたこと

決まった書式はありませんので、
上記(1)〜(6)のような内容を簡単に記入した用紙を請求書と一緒に提出しましょう。

【編集後記】

今回は仕事中の事務所の床のモールによる転倒事故によるケガを例に考えてみましたが、
労働者が被災(ケガ)した事由(理由または原因となる事実)が「業務上」となる範囲は広いものです。

たとえば、作業の準備・後始末中・作業中に用便や飲水に行くときの事故なども「業務上」です。

今日の1日1新

らぽっぽのチョコケーキ

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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