【2022年(1月〜7月)】労災が多い3業種と事故の原因

固定ページ
Pocket

2022年労働災害発生状況 ( 8月速報値 )が発表されています。
8月速報値は、2022年1月1日〜7月31日までに発生した労働災害について8月8日までに報告があったものを集計したものです。
1月〜7月までの7ヶ月間で労災がもっとも多かった3業種と3つの事故の原因をみてみましょう。

Pp816IMGL1087 TP V

2022年労災【死亡災害】がもっとも多かった3業種

2022年1月〜7月までの7ヶ月間に労働災害で死亡した方は395人います。

2022年1月〜7月までの7ヶ月間での死亡災害は、もっとも多かった3業種で全体の8割(81.5%)を占めています。

もっとも死亡災害が多いのは建設業139人、2番めに多いのは第三次産業99人、3番目に多いのが製造業84人です。

業種 2022年(1~7月)
労災死亡者数(人)
構成比(%)
建設業 139 35.2
第三次産業 99 25.1
製造業 84 21.3
陸上貨物運送事業 40 10.1
林業 16 4.1
農業、畜産・水産業 11 2.8
交通運輸事業 3 0.8
鉱業 2 0.5
港湾運送業 1 0.3
全産業 395 100.0

「令和4年における労働災害発生状況について(8月速報値)」(厚生労働省)から作成

建設業、第三次産業、製造業の3業種を合わせて322人の方が労災で死亡しています。

建設業や製造業で労災による死亡者が多いことは想像できるかと思いますが、製造業を抜いて2番めに死亡災害が多い業種が第三次産業であることをご存知でしたでしょうか?

第三次産業の死亡災害99人の方のなかで、一番死亡者が多かったのは商業39人でした。そのうち小売業が21人ともっとも多く労働災害で死亡しています。

第三次産業とりわけ小売業を代表とする商業は、労災で死亡することとは関係ないと思っていた方も少なくないのではないでしょうか?

第三次産業は2番目に死亡災害が多い業種です。

2022年労災【死傷災害】がもっとも多かった3業種

2022年1月〜7月までの7ヶ月間での死傷災害は98,181人、もっとも多かった3業種で全体の9割近く(87.4%)を占めています。

もっとも死傷災害が多いのは第三次産業62,597人、死傷者全体の約3分の2(63.8%)を第三次産業が占めています。

2番めに多い製造業で14,875人、3番目に多い陸運貨物運送業で8,442人です。陸運貨物運送業に続いて多い建設業で8,176人、4つの業種を合わせると死傷災害全体の95.7%を占めます。

業種 2022年(1~7月)
労災死傷者数(人)
構成比(%)
第三次産業 62,597 63.8
製造業 14,785 15.1
陸上貨物運送事業 8,442 8.6
建設業 8,176 8.3
交通運輸事業 1,771 1.8
農業、畜産・水産業 1,471 1.5
林業 616 0.6
港湾運送業 224 0.2
鉱業 99 0.1
全産業 98,181 100.0

「令和4年における労働災害発生状況について(8月速報値)」(厚生労働省)から作成

2022年労災【死亡災害】【死傷災害】の3大原因

2022年労災【死亡災害】の3大原因

2022年1月〜7月までの7ヶ月間に労働災害で死亡した方は395人。

事故の型別でみると、死亡災害でもっとも多かったのは墜落・転落で112人、死亡災害全体の3割(28.4%)。

2番目に多いのがはさまれ・巻き込まれで65人、3番目に多いのが交通事故(道路)54人です。

墜落・転落、はさまれ・巻き込まれ、交通事故(道路)の3つの型だけで、死亡災害全体の6割(58.5%)を占めています。

事故の型 2022年(1~7月)
労災死亡者数(人)
構成比(%)
墜落・転落 112 28.4%
はさまれ・巻き込まれ 65 16.5%
交通事故(道路) 54 13.7%
飛来・落下 34 8.6%
激突され 34 8.6%
崩壊・倒壊 23 5.8%
転倒 19 4.8%
高温・低温物との接触 14 3.5%
火災 9 2.3%
おぼれ 8 2.0%
交通事故(その他) 6 1.5%
有害物との接触 4 1.0%
切れ・こすれ 3 0.8%
爆発 3 0.8%
その他 3 0.8%
激突 2 0.5%
感電 2 0.5%
合計 395 100.0%

「令和4年における労働災害発生状況について(8月速報値)」(厚生労働省)から作成

2022年労災【死傷災害】の3大原因

死傷災害とは休業4日以上の労働災害のことをいいます。
2022年1月〜7月までの7ヶ月間に労働災害死傷者は98,181人。

死傷災害を型別でみると、もっとも多いのが「その他」です。
その他は新型コロナウイルス感染症による労働災害です。

新型コロナウイルス感染症による死傷者が死傷災害全体の4割近く(36%)を占めます。2番目に多いのが転倒17,625人、3番目が墜落・転落10,128人。

新型コロナウイルス感染症、転倒、墜落・転落の3つの型で死傷災害の約3分の2(64.5%)を占めています。

災害の型別 2022年(1~7月)
労災死傷者数(人)
構成比(%)
その他 35,546 36.2%
転倒 17,625 18.0%
墜落・転落 10,128 10.3%
動作の反動・無理な動作 9,281 9.5%
はさまれ・巻き込まれ 7,020 7.2%
切れ・こすれ 3,621 3.7%
激突 3,298 3.4%
交通事故(道路) 3,156 3.2%
飛来・落下 2,867 2.9%
激突され 2,737 2.8%
高温・低温物との接触 1,224 1.2%
崩壊・倒壊 972 1.0%
有害物との接触 254 0.3%
踏抜き 125 0.13%
分類不能 118 0.12%
感電 51 0.05%
交通事故(その他) 50 0.05%
火災 46 0.05%
破裂 23 0.02%
爆発 21 0.02%
おぼれ 18 0.02%
合計 98,181 100.0%

「令和4年における労働災害発生状況について(8月速報値)」(厚生労働省)から作成

新型コロナウイルス感染症をのぞいた死傷災害をみると、

転倒が全体の3割近く(28.1%)、墜落・転落が16.2%、腰痛など動作の反動・無理な動作が14.8%です。

転倒、墜落・転落、動作の反動・無理な動作の3つの型で死傷災害全体の6割(59.1%)を占めています。

転倒、墜落・転落、動作の反動・無理な動作の3つの型のうち、どれか1つの型であればどの業種でも休業4日以上の死傷災害はひとごとではありません。

業種 墜落・転落 転倒 動作の反動・無理な動作 2022年(1~7月)
労災死傷者数
のうち
3つの型のみ合計
製造業 1,455 2,952 1,296 5,703
鉱業 19 26 9 54
建設業 2,302 872 403 3,577
交通運輸事業 146 485 253 884
陸上貨物運送事業 2,215 1,609 1,455 5,279
港湾運送業 38 29 24 91
林業 73 72 35 180
農業、畜産・水産業 321 242 128 691
第三次産業 3,559 11,338 5,678 20,575
全産業 10,128 17,625 9,281 37,034

「令和4年における労働災害発生状況について(8月速報値)」(厚生労働省)から作成

死亡災害、休業4日以上の死傷災害だけが労働災害ではありません。
1日も仕事を休まなかった災害(ケガ)を含めて、どんなに小さな労災でもきちんと労災申請(労災保険給付の請求)をすることで、大きな労災を防ぐことにつながります。

【重大労災事故をなくす】何をすればいいか?

仕事が原因でケガをした病気になったら、かならず労災申請しましょう。

【労働災害】仕事でケガをしたときに知っておきたい2つの労災申請

【編集後記】

労災に遭ってしまったら労災申請しましょう。

労働者のための社労士(特定社会保険労務士・小倉健二)は労働者の方からの労災申請の相談と請求手続き代理の依頼をお受けしています。

The following two tabs change content below.

小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格