通勤途中に用事を済ませると労災保険の給付はどうなるのか?(通勤の逸脱・中断)

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労災保険法の通勤の逸脱・中断の問題です。
通勤の途中で就業や通勤と関係ない目的で合理的な経路をそれることを「逸脱」と言います。
通勤の経路上で通勤と関係ない行為を行うことを「中断」と言います。
通勤の途中で逸脱又は中断があるとその後は原則として通勤とはなりませんが、例外があります。
また、労働者が通常通勤の途中で行うささいな行為は逸脱・中断として取り扱われないことになっています。

通勤とは

通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うこと

通勤の3種類
1 住居と就業の場所との間の往復
2 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
3 第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動
(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)

労災保険法7条2項

通勤の逸脱・中断とは

労働者が、前項各号に掲げる移動の経路を逸脱し、又は同項各号に掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同項各号に掲げる移動は、第1項第2号の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。

労災保険法7条3項

通勤の“逸脱”とは

「逸脱」とは、通勤の途中において、就業または通勤とは関係のない目的で合理的な経路をそれることを言います。

通勤の“中断”とは

「中断」とは、通勤の経路上において、通勤とは関係のない行為を行うことを言います。

通勤の逸脱・中断とはならない行為

通勤の途中で経路近くの公衆便所を使用する場合や経路上の店でタバコやジュースを購入する場合などのささいな行為を行う場合には、逸脱、中断とはなりません。

労働者が通常通勤の途中で行うささいな行為を行う場合は
逸脱・中断として取り扱われない(以下は例)
経路の近くにある公衆トイレを使用する場合
帰途に経路の近くにある公園で短時間休息する場合
経路上の店でタバコ・雑誌などを購入する場合
駅構内でジュースを立ち飲みする場合
経路上の店で渇きをいやすために、ごく短時間、お茶・ビールなどを飲む場合
経路上で商売している大道の手相見・人相見に立ち寄って
ごく短時間手相や人相をみてもらう場合
マイカー通勤者が同僚を乗せるため、
通勤経路から5メートル入った同僚宅に行った場合

『七訂新版 労働者災害補償保険法』 (労働法コンメンタールNo.5)

通勤を逸脱・中断すると、労災保険法の給付はどうなるのか

逸脱・中断中とその後は、労災保険法での通勤とは認められなくなる

日常生活上必要もないのに道草した場合は、逸脱・中断しているときとその後は通勤災害とは認められません。

「日常生活上必要な行為」による逸脱・中断は、合理的な経路に戻ったその後は通勤と認められる

日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合には、逸脱又は中断の間を除き、合理的な経路に復した後は再び労災保険法での通勤となります。

日常生活上必要な行為であって、厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合
1 日用品の購入その他これに準ずる行為
2 職業訓練、学校教育法第1条に規定する学校において行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為
3 選挙権の行使その他これに準ずる行為
4 病院又は診療所において診察又は治療を受けることその他これに準ずる行為
5 要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母並びに祖父母および兄弟姉妹の介護(継続的に、または反復して行われるものに限ります。)

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小倉 健二 ( 特定社会保険労務士 )東京都 ※相談は新宿近辺にて

小倉健二(おぐらけんじ) 1965年生まれ54歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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