交通事故・他人からの暴力によるケガ 第三者行為災害による労災保険

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労災保険の「第三者行為災害」とは。第三者行為災害の「第三者」とは。

労災保険の“当事者”とは

労災保険の当事者とは、政府・事業主・労災保険の受給権者のことをいいます。

労災保険の第三者行為災害での“第三者”とは

労災保険の当事者である政府・事業主・被災労働者(または遺族)以外の方が第三者です。

労災保険給付の原因である業務災害・労働災害が、第三者の行為などによって起きたもので、この第三者が民事上の損害賠償義務があるものを、第三者行為災害といいます。

被災労働者を“第一当事者”(遺族を合わせて“第一当事者等”)といいます。
加害行為に起因して不法行為責任を負った加害者を“第二当事者”といいます。

第三者行為災害となる主な場合

  • 交通事故
  • 他人から暴行を受けた場合
  • 他人が飼育・管理する動物により負傷した場合

損害賠償責任が発生する根拠となる条文の一例

民法  電子政府の総合窓口 e-Gov[イーガブ]

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(使用者等の責任)
第七百十五条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

(動物の占有者等の責任)
第七百十八条 動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。
2 占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。

労災が第三者行為災害であった場合には、労災保険の第三者である加害者への損害賠償金と労災保険給付との調整が行われます。

被災労働者は加害者に対して、民事損害賠償請求権があります。

加害者からの損害賠償金と“二重取り”とならないように、労災保険は求償と控除で調整します。

求償

被災労働者(または遺族)が労災保険の給付を受けたときは、支払った労災給付に相当する額を、政府が第三者に対して、請求します。

控除

同一の事由により、第三者から損害賠償を受けた場合は、同一の事由に相当する損害賠償額を差し引いて労災保険の給付がされます。

損害賠償の中で、被災者等の精神的苦痛に対する慰謝料と労災保険給付の対象外のものは、同一の事由によるものではないので、支給調整の対象とはなりません。

労災保険給付のうち、休業特別支給金・遺族特別支給金・遺族特別年金など、社会復帰促進等事業の支給は調整の対象とはなりません。

上記の給付・支給については労災保険の給付から控除されません。

労災発生から7年以内に支給事由が生じた労災保険給付で、労災発生後7年以内に支払うべきものを限度として控除が行われます。控除期間は7年です。

労災保険給付と損害賠償項目の対比表

労災が第三者行為災害のときは、“第三者行為災害届+添付書類”の提出が必要です。

労災保険が求償と控除によって、加害者からの損害賠償金と調整するために第三者行為災害届と以下の添付書類の提出が必要です。

第三者行為災害届 (書式)

第三者行為災害届  ダウンロード 電子政府の総合窓口e-Gov[イーガブ
]

第三者行為災害届に添付する書類一覧

第三者行為災害届提出時に添付する書類

“示談”(和解)は注意が必要です。示談内容によっては労災保険が給付されなくなったり、すでに給付されたものが回収されることがありえます。

第三者行為災害届に添付する書類の“念書(兼同意書)”の説明にあるように、示談(和解)は慎重に臨む必要があります。

被災労働者または遺族が不用意に示談(和解)をすると、労災保険からの給付を受け取れなくなったり、すでに受け取っていた給付を回収されてしまうなど、損失をこうむってしまう可能性があります。

和解・示談の文書には、和解金・示談金等が労災保険の給付とは別に受け取るものであることを明記すること。

示談(和解)は、当事者(第一当事者等の被害者・遺族、第二当事者の加害者)が一定範囲の損害賠償義務が存在することを合意によって確定するものですが、注意が必要なのは、第一当事者等(被害者・遺族)が示談(和解)契約内容以外には一切の請求権を放棄することを合意する契約であるのが通常であることです。

錯誤や強迫などが存在せずに、当事者(第一当事者等の被害者・遺族、第二当事者の加害者)の間で真意にもとづいて示談(和解)契約が成立した場合は、原則として示談成立以降の労災保険給付は行われないことになります。

また、示談(和解)契約の内容によっては、すでに受け取っていた労災保険からの給付を返還するように請求されてしまう可能性もあります。

示談(和解)を行なう前には、必ず労働局または労働基準監督署に連絡をしましょう。

また、示談(和解)とは契約の締結です。必要な場合は事前に弁護士に相談しましょう。

日本労働弁護団

法テラス

参考・引用資料

労災保険 第三者行為災害のしおり 厚生労働省

労災事件救済の手引―労災保険・損害賠償請求の実務
古川拓著 青林書院

昨日の1日1新:ピリ辛ギョーザまん 新宿京王百貨店

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小倉 健二 ( 特定社会保険労務士 )東京都 ※相談は新宿近辺にて

小倉健二(おぐらけんじ) 1965年生まれ53歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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