診断書の診断日から3ヶ月以内に障害年金請求する。遡及請求。事後重症請求。基準障害による請求

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障害年金の請求の種類によって請求日から3ヶ月以内の診断日での診断書を提出しなければなりません。
診断書を受け取ってから障害年金請求に必要な資料の確認や入手をはじめると3ヶ月をすぎてしまい診断書を取り直す必要が出てしまいます。

障害年金請求の種類によって、いつの時点での診断書が必要になるか?がちがう

障害年金請求の種類 いつの時点での診断書が必要になるか(必要な診断書枚数)
20歳前障害認定日請求 障害認定日(20歳または20歳以後の障害認定日)の前後3月以内の年月日での現症の診断書。(診断書は1枚)
障害認定日請求 障害認定日以降3月以内の年月日での現症の診断書。(診断書は1枚)
障害認定日遡及請求 障害認定日以降3月以内の年月日での現症の診断書、障害年金請求日以前3月以内の年月日での現症の診断書。(診断書は計2枚)
事後重症請求 障害年金請求日以前3月以内の年月日での現症の診断書。(診断書は1枚)
基準障害による請求(初めて2級) 前発障害および基準障害(後から発生した障害)の請求日以前3月以内の年月日での現症の診断書。(診断書は計2枚)

障害認定日遡及請求、事後重症請求、基準障害による請求(初めて2級)は請求日3月以内の診断書が必要

遡及(1年よりも前にさかぼって)請求しない場合の障害認定日請求でしたら、障害認定日から1年未満に障害年金を請求する場合は障害認定日での現症の診断書をすぐに受け取っていても障害年金の請求書を提出するまでにまだ期間があるという場合もあります。

しかし、障害認定日遡及請求、事後重症請求、基準障害による請求(初めて2級)は請求日3月以内の診断書を提出する必要がありますから、診断書を受け取ってから障害年金の請求書を提出するまで残りの期間がありませんから急いで請求の準備をしなければなりません。

住民票などの資料はすぐに手に入れることができますが、障害年金を請求するときに障害年金請求用の指定の診断書の他に必要な、受診状況等証明書(初診日を特定する医師による証明書)や特定された初診日の前日で年金保険料を決められた条件で払われているかという保険料納付要件を年金事務所で確認する、そして唯一自分自身で自分の障害状態を訴えることができる病歴・就労状況等申立書を書き上げる(あるいはWordやExcelで入力する)のは時間がかかるものです。

診断書を受け取ってみて、医師が書いた診断書に記載漏れや不備などがあった場合はその補正をいそいでしなければなりませんので、受診状況等証明書の入手、保険料納付要件の確認、病歴・就労状況等申立書の作成は診断書を受け取る前に準備をしておきたいところです。

事後重症請求の場合は請求した日の翌月分からしか年金を受け取れませんし、事後重症の障害年金の請求は65歳の誕生日の前々日までに請求書を提出しないと障害年金を受け取れません。
遡及請求も過去5年分までしか請求できません。

障害年金の請求書を早く提出するために診断書を急いで書いてもらうことが必要な場合もありますが、そうでない場合については、診断書を受け取るまえに受診状況等証明書を受け取り、保険料納付要件を確認し、病歴・就労状況等申立書を作成できていると安心して障害年金請求書を提出できます。

診断書を受け取る前に、あるいは診断書を作成してもらっている間に並行して準備したい資料

(1)まずは受診状況等証明書を準備したいところです。
受診状況等証明書で初診日が確定することではじめて初診日前日での保険料納付要件を確認できます。

(2)そして初診日が確定しましたら、初診日前日での保険料納付要件を年金事務所で確認しましょう。
初診日前日での保険料納付要件を満たしていなければ、診断書でどれほど重い障害の状態であることが確認できても障害年金を受けることはできません。(20歳前障害による請求では保険料納付要件はありません。他にも保険料納付要件が問われない例外もあります。)

(3)確定した初診日の前の状態、初診日のときの状態、その後の状態などどんな困っている障害の状態があるのか治療歴などを簡潔にそしてわかりやすく病歴・就労状況等申立書を書きましょう。

出来上がった(あるいは下書きの)病歴・就労状況等申立書を医師に渡してみてはいかがでしょうか?
診察だけでは医師がわからない普段の生活でのあなたの困っている状態・障害を説明する材料にもなります。

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雨の西新宿1丁目交差点

【編集後記】

障害の状態に該当して障害年金を請求しようとするときに、今回の記事で紹介した準備をするだけでもとても大変なことです。
家族の協力を受けられる場合でしたら協力を受けながら早めに準備をはじめていきましょう。

家族の協力以外にも専門的な手続きでわからないことや不安なことがある場合には、早めに私たち社会保険労務士に相談・依頼をいただければと思います。

昨日の1日1新 ルビーチョコレートラテ ヴェローチェ

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格