【労災保険】複数の会社で働いている方の給付増える(2020/09/01〜)

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これまでは、複数の会社で働いている方が仕事中にケガをしたなど労働災害に遭った場合は、ケガをした会社での給料をもとに労災保険給付の額が計算されてきました。
結果として、ケガの療養のために会社を休んでいる間に労災保険から受けられる休業補償給付などの金額が低くなってしまうことが問題となっていました。
この問題を解決するために、2020/09/01からは複数の会社等で働かれている方への労災保険の給付が変わります。

【複数の会社で働いている方の労災保険給付】これまでの問題点

複数の会社を掛け持ちで働いている方。

たとえば正社員で仕事が終わったあとに副業で短時間のアルバイトをしています。
仕事でケガをして療養のために1ヶ月仕事を休んだとします。

ケガの療養のため仕事を休んでいる1ヶ月の間は、給料の約8割を休業補償給付を労災保険から受け取ります。

正社員として月に30万円、副業先のアルバイトで月に3万円の給料を受け取っていました。

正社員とアルバイト合わせて1ヶ月の給料は33万円ですので給料の8割は26万4千円です。

しかし、副業のアルバイト先で仕事でケガをした場合に受け取れる休業補償給付は2万4千円です。

療養のために会社を休んでいる間に給料の約8割を労災保険から受け取ることで、生活の心配なく安心して療養することができるはずです。

ところが33万円の給料の代わりに2万4千円しか受け取れないのでは安心して仕事を休むことができません。

このようにこれまでは複数の会社で働いている方が労働災害に遭うと、仕事を休んで安心して療養することができませんでした。

そこで、労働者災害補償保険法が改正されて、2020/09/01からは複数の会社等で働かれている方への労災保険の給付が変わることになりました。

【複数の会社で働いている方の労災保険給付2020/09/01〜】
それぞれの給料を合算した額で労災保険の給付額を計算する

障害補償給付や遺族補償給付などの額の計算も変更されます。

ここでは身近な例として仕事でケガをして療養のために会社を休んだときに労災保険から受ける休業補償給付から見てみましょう。

労災保険給付基礎日額の算定方法変更

現行制度(〜2020/08/31)での労災保険給付の計算

あなたはA社で仕事を終えるとB社で仕事をしています。

A社での給料は毎月20万円。B社での給料は毎月10万円です。

B社で仕事中に荷物をとろうとして脚立から落ちてケガをして療養のために1ヶ月働けませんでした。

B社での労働災害であるため、B社での給料10万円をもとに労災保険の給付額が計算されます。

労災保険から休業補償給付は給料の約8割の額を受け取ることができますので1ヶ月で8万円を受け取ります。

これがこれまで(現在)の計算方法です。

あなたはA社での給料20万円とB社での給料10万円の合わせて30万円の給料を受け取っていましたが、受け取れる休業補償給付は給料の8割どころか3割しか受け取ることができません。

これでは、療養するために安心して仕事を休むことができません。

改正後(2020/09/01〜)の労災保険給付の計算

改正後(2020/09/01〜)は、B社での労働災害であっても、労災事故とは関係ないA社でのあなたの給料も労災保険給付の額の計算のもとに算入されます。

あなたはA社での給料20万円とB社での給料10万円の合わせて30万円の給料を受け取っていましたので、2020/09/01以降の労働災害であれば、1ヶ月30万円の給料の8割で24万円の休業補償給付を労災保険から受け取ることができるようになります。

この例の場合は、現行制度8万円に対して改正後24万円となり、受け取れる休業補償給付は3倍に増えることになります。

これなら、安心して療養のために仕事を休むことができますね。

仕事の【負荷(労働時間やストレス)】も働いている複数社を総合的に評価・判断へと変更

仕事での負荷 総合的評価

過労死などの脳・心臓疾患や過労自殺などの精神障害は仕事での負荷(労働時間やストレス)を評価して仕事による病気であるかどうか判断されます。

改正後(2020/09/01〜)は、複数社で仕事をしていた場合に個別の会社での負荷では労働災害として不認定と判断される場合であっても、複数社の負荷を総合的に判断されることになります。

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【編集後記】

2つ以上の会社で働いている方が仕事でケガをしたような労働災害に遭った場合の労災保険の給付の額の計算が、2020/09/01から変更されます。

背景にダブルワーク、トリプルワークといった労働環境の悪化があるとはいえ、労働災害に遭った方を救済する制度としてはとても良い改善です。

2つ以上の会社で働いているときにケガや病気の原因・要因(長時間労働や強いストレスなど)があった場合は、その後1つの会社だけで仕事をしているときにケガや病気になった場合にも制度改正が適用される対象になります。

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      小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

      小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談(期間限定)「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ55歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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