【社会保険加入手続】会社がしない。労働者の対応方法

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労働保険(労災保険・雇用保険)と社会保険(健康保険・厚生年金保険)を合わせて広い意味での社会保険と言えます。
社会保険は国家による強制加入ですので、あなたが会社に採用された日から社会保険に加入しています。
会社が加入の手続きをしているかどうかに関わらず、あなたは社会保険に加入しています。
しかし、会社が手続きをしていない場合は雇用保険、健康保険、社会保険の給付を受けられませんので、対応が必要です。
社会保険加入手続を会社がしない。
そんなときの労働者の対応方法を知っておきましょう。【確認の請求】です。

【確認の請求】(労働者の権利)過去2年間さかのぼって被保険者となる

社会保険は会社やあなたが加入したいかどうかではなく、一定の条件に当てはまると手続きの有無に関わりなく自動的に加入します。

社会保険は国家による強制加入保険です。

会社など雇用保険適用事業に雇用関係が認められる日に雇用保険の被保険者の資格を取得します。

会社など厚生年金保険・健康保険の適用事業所に使用されるに至った日に厚生年金保険・健康保険の被保険者の資格を取得します。

あなたは会社に採用された日から雇用保険・厚生年金保険・健康保険に加入しています。

会社があなたの社会保険加入の手続きをしない場合は、被保険者であることの確認の請求をすることができます。

被保険者の資格取得の確認の請求とはなんでしょうか?

会社が社会保険加入手続きをしていなくてもあなた(労働者)が社会保険に加入しているということを厚生労働大臣(健康保険については健康保険組合の場合は健康保険組合)が認める(確認する)ことを請求することです。

ただし、被保険者であることをさかのぼって確認できるのは過去2年間です。

過去2年間より前の期間については加入していないことになってしまいます。

会社を辞めたときに受け取る失業手当(雇用保険の基本手当)は算定基礎期間(加入していた期間)が長いほど多くの日数分を受け取ることができます。

参考記事 失業手当はいくら受け取れるのか?

老後に受け取る老齢厚生年金も被保険者期間が長いほど多い金額を受け取ることができます。

障害年金は初診日に厚生年金保険に加入していれば国民年金と厚生年金の両方から障害年金を受け取ります。

しかし、厚生年金に加入していなければ厚生年金からは障害年金を受け取ることができません。

障害の程度が3級の場合は厚生年金に加入していないと障害年金そのものが受け取れません。

初診日の前日における保険料納付要件にも関わってきます。

被保険者であることを確認できるのは過去2年間だけです。

確認の請求をした過去2年間より前の期間については社会保険に加入していないことになってしまいます。

被保険者資格取得の確認の請求は、1日でも早くしておくことが大切です。

雇用保険遡及適用

雇用保険法

8条(確認の請求)

被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、次条の規定による確認を請求することができる

9条(確認)

厚生労働大臣は、第七条の規定による届出若しくは前条の規定による請求により、又は職権で、労働者が被保険者となつたこと又は被保険者でなくなつたことの確認を行うものとする。

厚生年金保険法

31条(確認の請求)

被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、第18条第1項の規定による確認を請求することができる

18条1項(資格の得喪の確認)

被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣の確認によつて、その効力を生ずる。ただし、第十条第一項の規定による被保険者の資格の取得及び第十四条第三号に該当したことによる被保険者の資格の喪失は、この限りでない。

健康保険法

51条(確認の請求)
被保険者又は被保険者であった者は、いつでも、第39条第1項の規定による確認を請求することができる

39条1項(資格の得喪の確認)
被保険者の資格の取得及び喪失は、保険者等(被保険者が協会が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては厚生労働大臣、被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては当該健康保険組合をいう。第164条第2項及び第3項、第180条第1項、第2項及び第4項並びに第181条第1項を除き、以下同じ。)の確認によって、その効力を生ずる。ただし、第36条第4号に該当したことによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者の資格の取得及び喪失は、この限りでない。

【被保険者資格取得届】(会社の義務)

会社に採用されると労働者はその日に社会保険に加入します。

社会保険に加入した、つまり被保険者の資格取得したことを届出ることは会社の責任・法的義務です。

会社があなたの社会保険の加入手続きをしないことは許されないことなのです。

雇用保険法7条(被保険者に関する届出)

事業主(徴収法第8条第1項又は第2項の規定により元請負人が事業主とされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が雇用する労働者以外の労働者については、当該労働者を雇用する下請負人。以下同じ。)、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する労働者に関し、当該事業主の行う適用事業(同条第1項又は第2項の規定により数次の請負によつて行われる事業が一の事業とみなされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が雇用する労働者以外の労働者については、当該請負に係るそれぞれの事業。以下同じ。)に係る被保険者となつたこと、当該事業主の行う適用事業に係る被保険者でなくなつたことその他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。当該事業主から徴収法第33条第1項の委託を受けて同項に規定する労働保険事務の一部として前段の届出に関する事務を処理する同条第三項に規定する労働保険事務組合(以下「労働保険事務組合」という。)についても、同様とする。

厚生年金保険法27条(届出)

適用事業所の事業主又は第10条第2項の同意をした事業主(以下単に「事業主」という。)、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者(被保険者であつた70歳以上の者であつて当該適用事業所に使用されるものとして厚生労働省令で定める要件に該当するもの(以下「70歳以上の使用される者」という。)を含む。)の資格の取得及び喪失(70歳以上の使用される者にあつては、厚生労働省令で定める要件に該当するに至つた日及び当該要件に該当しなくなつた日)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない

健康保険法48条(届出)

適用事業所の事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を保険者等に届け出なければならない

【罰則】社会保険加入手続きをしない会社は法律により懲役または罰金を受ける

会社が労働者の社会保険の加入の手続きをしないと、労働者は大きな不利益を受けます。

将来受け取る失業手当の総額が少なくなってしまう、

老齢年金の額が少なくなる、

障害年金の額が少なくなったり障害年金そのものが受け取れなくなってしまうこともあります。

社会保険の加入手続きをしない会社には懲役または罰金による刑罰を受けることになります。

社会保険の加入手続きは労働者の生活に関わるとても重要なことです。

雇用保険法83条

事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する

1号 第7条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合

雇用保険法7条は被保険者資格取得の届出、つまり労働者が雇用保険に加入した届出のことです。

厚生年金保険法102条

事業主が、正当な理由がなくて次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する

1号 第27条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

厚生年金保険法27条は被保険者資格取得の届出、つまり労働者が厚生年金保険に加入した届出のことです。

健康保険法208条

事業主が、正当な理由がなくて次の各号のいずれかに該当するときは、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する

1号 第48条(第168条第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

健康保険法48条は被保険者資格取得の届出、つまり労働者が健康保険に加入した届出のことです。

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【編集後記】

毎月の給料から社会保険料が差し引かれていたのに社会保険加入手続きされていなかった場合は、給料明細など資料(証拠)があれば2年以上前にさかのぼって加入できます。
もちろんこの場合は社会保険料の労働者負担分をもういちど払う必要はありません。

また、労災保険は1人ひとりの労働者を単位に加入するものではありませんので被保険者の資格確認の必要がありません。
会社が労働保険の保険関係成立届を提出せず保険料を払っていなかったとしても、労働者が労災保険からの給付を請求することができますので問題にはなりません。
もちろん会社は過去にさかのぼって保険料を払うことになります。
ちなみに労災保険の保険料は全額会社負担で労働者負担分はありません。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談(期間限定)「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ55歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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