「元からある病気が悪化したから労災ではない」は間違い。

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仕事が忙しくて病院に行けずにいたら、病気が悪化して入院してしまった。
社長から、もともと自分が持っていた病気なのだから労災保険は使えないよと言われてしまった。
病院に行けなかったのは残業や出張が続いていたからだったのになー。困った。

職業病リストにない病気でも業務上疾病として労災保険から給付を受けられる。

労働基準法施行規則別表第1の2
1号 「業務上の負傷に起因する疾病」(疾病とは病気のことです)。
2号〜10号 具体的な“職業病リスト”です。
11号 「その他業務に起因することの明らかな疾病」

業務上のケガが原因となる病気、職業病リストにある病気、
どちらでもない病気であっても、
「その他業務に起因することの明らかな疾病」(疾病とは病気のこと)であれば業務上の病気として
労災保険から保険給付を受けられます。

こちらの記事「労災保険 業務上疾病。職業病リストにある病気・ない病気」で紹介しました。

「元からある病気が悪化したから労災ではない」は間違い。労災になります。


労働者が基礎疾病がある(元から病気だった)場合でも、たとえば下記のような場合は業務上災害となります。
(1つひとつの事案ごとに判断されますので、例として)

原因(1且つ2)
1 業務が病気を増悪させる共働原因となっている。
2 危険因子の中で、業務が相対的に有力な原因となっている。
原因
仕事が忙しくて、すぐに安静をま持つことが困難で、引き続き業務に従事しなければならなかった。
原因
体調不良であると自覚していたが、仕事が忙しくてすぐに安静・診療治療を受けるのが困難だった

2010年4月16日名古屋高裁判決。豊橋労働基準監督署長事件


慢性心不全の基礎疾患があり障害者雇用枠で採用されていた家電量販店販売員の方が不整脈発症・死亡した。妻が労災保険の遺族補償年金等の支給を求めた裁判。

「業務上の死亡」とは当該被災者の死亡が業務による(業務起因性)ものであることを意味し、業務によるといえるためには業務と死亡との間に相当因果関係があることを要すると解すべきである。

因果関係が認められるためには、平均的労働者を基準に判断すべきであると被告(国側)は主張。
労働者は個人ごとにそれぞれ異なるとして、当該被災労働者を基準に判断すべきであると原告は主張。

原告勝訴。(国側敗訴)

平均的な労働者を基準とするのが自然である。

しかし、労働に従事する労働者は必ずしも平均的な労働能力を有しているわけではなく、身体に障害を抱えている労働者もいる。常に平均的労働者が基準となるというものではない。

憲法27条1項が「すべて国民は勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と定めている。
国が身体障害者雇用促進法等により身体障害者の就労を積極的に援助し、企業もその協力を求められている時代にあっては一層明らかというべきである。

少なくとも、身体障害者であることを前提として業務に従事させた場合に、その障害とされている基礎疾患が悪化して災害が発生した場合には、その業務起因性の判断基準は、当該労働者が基準となる。

もしそうでないとすれば、そのような障害者は最初から労災保険の適用から除外されたと同じことになる。

この裁判では障害者の方の業務上疾病について争われたのでこのような判決の内容ですが、障害者の方に限りません。

業務による明らかな過重負担が加わることによって、自然経過を超えて増悪し発症に至った場合などは、業務上の病気であると判断されています。

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【編集後記】

今日の東京は昨日よりもさらに涼しく、もはや寒い1日でした。この秋はじめて薄手のジャンパーを着ました。

今日の1日1新:子どもが作ったホットサンド。

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美味しかったです。

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小倉 健二 ( 特定社会保険労務士 )東京都 ※相談は新宿近辺にて

小倉健二(おぐらけんじ) 1965年生まれ53歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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