【失業手当】退職勧奨で退職した。自己都合扱いで損しないための注意

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会社を退職して受け取る【失業手当】(雇用保険の基本手当)。
会社都合での解雇・退職の場合と自己都合退職では扱いが全く異なります。
本当は、解雇や退職勧奨による退職なのに、辞職(自己都合退職)扱いされてしまうと失業手当で大損してしまいます。
注意しましょう!

【失業手当】離職理由でこんなに受給内容が変わってしまう

自己都合退職だと失業手当を受けるまで3ヶ月待たされる

倒産、解雇(労働者が重大な責を負うべき事由による解雇は除きます)、退職勧奨による退職など会社都合による退職の場合には7日間の待機期間満了後すぐに失業手当を受け取ることができます。

しかし、自己都合退職の場合は3ヶ月(2020/10/01以降の退職は2ヶ月)給付制限があります。

雇用保険法

21条 基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して7日に満たない間は、支給しない。

33条 被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第21条の規定による期間の満了後1箇月以上3箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。
ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間については、この限りでない。

給付制限が3ヶ月から2ヶ月へと短縮されることについての詳しい内容は、こちらの記事で紹介しています。
【失業手当】自己都合退職の給付制限2ヶ月へ短縮(2020/10/01〜)

この3ヶ月の給付制限とは7日間の待機期間満了後にさらに失業手当を受け取るまでに待たされる期間のことです。

7日間の待機期間満了後すぐに失業手当を受けられるのか?さらに3ヶ月待たされるのか?

会社を退職して給料を受け取れない失業している期間でのこのちがいはとても大きいです。

【失業手当の所定給付日数】会社都合退職と自己都合退職では受け取れる日数がちがう

たとえばあなたが45歳の方で勤続20年以上だった場合を見てみましょう。

会社都合での退職の場合は330日間失業手当を受けられます。
自己都合での退職の場合は150日間しか失業手当を受けられません。

本当は退職勧奨を受けて退職したのに、自己都合退職扱いだと最大で330日間受けられるところ150日しか受けられなくなってしまいます。

11ヶ月間受けられる失業手当が5ヶ月へと半分以下の日数になってしまいますので注意が必要です。

失業手当の所定給付日数

実際に受け取れる失業手当の金額については、こちらの記事で紹介しています。
失業手当はいくら受け取れるのか?

【離職証明書】の離職理由をよく見る

解雇や辞職など理由はいろいろありますが、退職すると会社は「雇用保険被保険者離職証明書」をハローワークに提出します。

この離職証明書にあなたが署名・押印します。

離職証明書に署名・押印する前に離職理由を必ず確認してください。

離職証明書の離職理由

解雇あるいは退職勧奨を受けて退職したにも関わらず、離職理由が労働者の個人的な事情による離職に○がつけられていることがあるからです。

署名・押印してハローワークに提出したあとで離職理由を変更する主張をするのは難しくなりますので、よく確認しましょう。

解雇あるいは退職勧奨を受けたことによる退職などが正しい理由なのであれば、正しい理由で記載するように会社に主張しましょう。

また、会社が訂正しない場合でも離職者本人の判断欄には事業主が○をつけた離職理由に異議「無し」にまるをつけてはいけません。異議「有り」に○をつけましょう。

離職者本人判断

【離職票】に記載された離職理由が間違っていたらどうする

離職票が届いたらすぐに記載された離職理由を確認しましょう。

解雇や退職勧奨による退職にもかかわらず自己都合による退職になっていた場合は、正しい退職の理由を確認するために必要な資料を準備してすぐにハローワークに連絡して訂正を求めましょう。

ハローワークに提出する資料については以下の資料が参考になります。

特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準

離職理由を確認できる資料として【持参いただく資料】が記載されています。

花

【編集後記】

離職証明書は署名・押印する前に賃金額もよく確認しましょう。

ここに記載された賃金額をもとに失業手当の金額が計算されます。

間違って低い金額で記載されていると受け取る失業手当の金額が少なくなってしまいますので注意しましょう。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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