障害年金の請求は3つの請求パターンがある、障害認定日請求、遡求請求、事後重症請求

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障害年金は3つの要件を満たすと受けとることができます

(1)初診日
(2)障害の程度(障害の状態)
(3)保険料納付

「会社を辞めようと思っているなら、具合の悪いところは我慢していないで、会社を辞める前に医者に診てもらっておくこと」の記事で紹介しました。

障害年金の請求方法には3つある

障害認定日による請求

障害認定日に障害の状態にあるとき、障害年金の請求をすると、障害認定日の翌月分から年金が支給されます。

障害年金請求書には障害認定日時点の症状がわかる診断書を提出します。

遡求請求

障害認定日に障害の状態にあったものの、障害年金のことを知らなかったなど何らかの事情で請求していなかった方が、障害認定日より遅れて障害年金の請求をすることで、遡って障害認定日の翌月分から年金が支給されます。

保険給付を受ける権利は5年を経過したときは時効によって消滅しますので、遡って支給される年金は障害年金請求日から過去5年分までです。

障害年金請求書には障害認定日時点の症状がわかる診断書を提出します。
(障害年金を請求する日が、障害認定日より1年以上過ぎているときは、請求手続き以前3ヶ月以内の症状がわかる診断書も併せて提出する必要があります。)

事後重症請求

障害認定日に障害の状態にはなかったものの、65歳に達する日の前日(つまり誕生日の前々日)までの間に障害の状態となった場合は、障害年金請求日の翌月分から年金が支給されます。

障害年金の請求は、65歳に達する日の前日(つまり誕生日の前々日)までにする必要があります。

障害年金請求書には障害年金請求日前3ヵ月以内の現症の診断書を提出します。
(障害認定日に遡って請求するものではありませんので、障害認定日時点の症状がわかる診断書は不要です。)

障害年金の遡求請求をする場合には『障害給付請求事由確認書』を請求書に添付して提出します

障害認定日まで過去5年分の年金を遡って請求(遡求請求)したいけれども、障害年金請求の今の時点では障害の程度(障害の状態)に該当しているのだが、もしかしたら障害認定日では該当していなかったとして年金が支給されないかもしれない・・・と心配な方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、障害年金を遡求請求する場合は『障害給付請求事由確認書』を添付して提出しますので、事後重症に該当する場合は不支給決定ではなく障害年金請求日の翌月分から年金が支給される決定がされます。

『障害給付請求事由確認書』には、「『障害認定日による請求』を請求事由として、障害給付を請求します。ただし、『障害認定日による請求』で受給権が発生しない場合は、『事後重症による請求』を請求事由として障害給付を請求します」と記載されています。

障害認定日時点では障害の程度に該当しておらず障害認定日まで過去5年分の年金を遡って支給はされないけれども、障害年金請求している今の時点では障害の程度(障害の状態)に該当しているという場合は、不支給の決定ではなく、障害年金請求日の翌月分から年金が支給される決定がされます。

ただし障害年金の請求が、65歳に達する日の前日(つまり誕生日の前々日)までにされている必要があります。

『障害給付請求事由確認書』

障害給付請求事由確認書

Q.初診日とは?

初診日とは、障害の原因となった病気やけが(以下「傷病」といいます)について、初めて医師
または歯科医師(以下「医師等」といいます)の診療を受けた日をいいます。
同一傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

Q.障害認定日とは?

障害認定日とは、障害の程度を定める日のことで、その障害の原因となった傷病についての初診
日から起算して1年6カ月を経過した日、または1年6カ月以内にその傷病がなおった場合(症
状が固定した場合)はその日をいいます。

Q.障害の程度(障害の状態)とは?

障害基礎年金、障害厚生年金及び障害手当金が支給される「障害の状態」とは、障害等級1級または2級の状態(厚生年金に加入している場合は3級の状態も)のことをいいます。

1級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。この日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度とは、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることができない程度のものである。
例えば、身のまわりのことはかろうじてできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものである。

2級
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のものである。
例えば、家庭内の極めて温和な活動(軽食作り、下着程度の洗濯等)はできるが、それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの、すなわち、病院内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり、家庭内の生活でいえば、活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。

3級
労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。
また、「傷病が治らないもの」にあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。(「傷病が治らないもの」については、第3の第1章に定める障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する。)

障害手当金
「傷病が治ったもの」であって、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものとする。

国民年金・厚生年金保険障害認定基準について 昭和61年3月31日庁保発第15号

「障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」日本年金機構

今日の1日1新

事務所のPCモニターの高さが目に合っていなかったので
モニターアームを取り付けました。
見やすくて楽になりました。

アジャスタブルアームUPC-GM148BK
株式会社ユニーク

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格