【労働災害】転倒災害を防ぐには予防対策が不可欠

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転倒による労働災害を防ぐには、転倒の危険をなくす具体的な対策が必要です。

床のコードでつまずいて転んでしまった。痛い!腕が折れたみたいだ。

死傷災害で新型コロナ感染に続き多いのが「転倒災害」

「不注意だから転ぶんだ。会社は悪くないから労災じゃない」と会社で言われた。

会社でこんなことを言われて労災申請できないとあきらめたという話を労働者の方から聞きますが、会社が悪ければ損害賠償責任が発生しますが、会社が悪くなくても労災です。

休業4日以上の死傷災害で新型コロナ感染につづき2番めに多いのが転倒災害です。

参考記事
「転んでケガしたのは自分の不注意だから労災保険使えないよ」はウソ

転倒災害は大きくわけると3種類。滑り、つまずき、踏み外し。

たとえば階段を踏み外して転ぶ。とても危険な事故です。

階段や倉庫の証明の明るさは十分でしょうか。
足元の明るさが十分でなければ階段を踏み外して転んでしまいます。
もしも十分な明るさでなければ会社に改善させることが転倒事故防止につながります。

滑りとつまずきによる転倒災害の事例と必要な再発防止策を、厚生労働省の職場の安全サイトの労働災害事例から見てみましょう。 職場の安全サイト

「滑り」による転倒災害

床がぬれている。路面が凍っている。
滑って転ぶことで労働災害が起こります。

「床が濡れているから、転ばないように注意しろ」
「滑りやすい床だから、気をつけて歩け」

これでは労災を防止することはできません。

ケガをしないように自分自身を守るのは労働者の意識として大切ですが、滑らないための対策をするのが会社の責任です。

床が濡れているまま、放置しているから転倒災害が起こるのです。
濡れたらすぐに拭く、濡れない床に仕組みを変更する。

滑りやすい床なら、滑らない靴を支給する。

滑らないための対策が不可欠です。

転倒による労働災害(滑り) 原因 類似災害を防止するために必要な対策
工場内にて、被災者は、パレットに積まれているダンボールを下ろす際、誤って足を滑らせ、転倒し、予備のパレットに胴体を打ち付け、助骨を骨折した。 1)高い位置に積まれているダンボールを下ろす際、複数で作業せず、一人で作業を行ったこと。

2)高い位置に積まれているダンボールや、重いダンボールを下ろす際、リフター等を使用していなかったこと。

3)作業スペースと予備のパレットを置く場所が区別されておらず、予備のパレットが作業スペースの付近に置いてあったこと。

1)高い位置に積まれているダンボール等の荷物を下ろす際、必要に応じて複数の作業者で行うか、若しくはリフター等を使用し、無理な姿勢にならないような作業方法で行うこと。

2)作業スペースと予備のパレットの置き場所を区別し、整理整頓を徹底すること。

3)転倒災害防止のため、労働者に対し、職場における安全衛生教育や研修を十分に実施すること。

店内の調理場にて、冷蔵庫に食材を取りに行ったところ、濡れた床で足を滑らせ、転倒した。 厨房の床が、濡れたままの状態で放置され、滑りやすくなっていたこと。 1)調理場では、水で濡れた床を放置せず、速やかに拭き取ること。

2)調理場では、滑りにくい履物を着用すること。

3)調理場では、足元に十分注意し、作業を行うこと。

4)事業場にて、安全衛生活動を行う者を選任し、調理場における業務の作業手順書を作成し、労働者に対する安全衛生教育を十分に行うこと。

被災者は、仕上がったクリーニング物を車両に積み込んでいた際、凍っていた地面に足を滑らせ、転倒し、身体をかばおうと手をついたところ、手首を骨折した。 1)仕上がったクリーニング物を積み込む際、作業者は、地面がよく見えないほどのクリーニング物を抱えていたこと。

2)地面が凍結し、滑りやすくなっていたこと。

1)滑りにくい履物を着用すること。

2)クリーニング物を運ぶ際は、足元が見える程度に抱えて歩行すること。

3)仕上がったクリーニング物を車両に運ぶ際の通路に、滑り防止のためのマットを敷く等、転倒防止の措置を講じること。

4)仕上がったクリーニング物を車両に運ぶ際、台車等を使用すること。

5)転倒災害防止のため、労働者に対し、職場における安全衛生教育や研修を十分に実施すること。

「つまずき」による転倒災害

ケーブルが床をはっている。小さな事務所でよくある光景です。

事務所の床や通路に荷物が置いてある。

「ケーブルや荷物があるから気をつけて」では、つまずきによる転倒災害は防げません。

ケーブルは床をはわせてはいけません。
たばねてモールを設置しても段差になればつまずきます。
動線を考え、人が歩く場所にはケーブルをはわせない、モールを設置しない、荷物を置かない。

職場から危険を取りのぞき、安全で快適な職場にするのは会社の責任です。

転倒による労働災害(つまずき) 原因 類似災害を防止するために必要な対策
印刷工場内にて、オフセット印刷機を使用し印刷作業中、別の部署へ移動しようと小走りで移動した際、途中に置いてあったハンドリフトを飛び越えようしたところ、つまずいた。足甲をハンドリフトのアーム部分に強打し、骨折した。 1)歩行スペースとハンドリフト等の運搬機を置く場所が区別されておらず、歩行スペース(作業動線上)にハンドリフトが置いてあったこと。

2)ハンドリフトを跨ぐ等の危険な行為の禁止が、研修や教育で徹底されていなかったこと。

1)人力運搬機等の転倒の要因となる物が、歩行スペース(作業動線上)に置かれていることがないように、工場内の整理整頓を徹底すること。

2)転倒災害防止のため、労働者に対し、職場における安全衛生教育や研修を十分に実施すること。

デイサービスのホールにて、洗濯物を持ち、脱衣所に向かっていたところ、扇風機の電源コードにつまずき、床に膝を強打し、骨折した。 1)扇風機の電源コードが、歩行する床にあったこと。

2)被災者は、足元がよく見えないほどの洗濯物を抱え込んでいたこと。

3)被災者は、周辺にいる施設利用者に気をとられ、電源コードに足を引っかけたこと。

1)扇風機の電源コードは、足を引っかけてしまうことがないように、歩行する床に放置しないこと。

2)配線を、床に固定した躓きにくい形状のモールで覆うこと。

3)ホールに洗濯物等の物を運ぶ際は、足元が見えないほど抱え込むことはせず、足元をよく見て歩くこと。

4)転倒災害防止のための指針を整備し、労働者に徹底させること。

5)転倒災害防止のための委員会等を組織し、職場における安全衛生教育や研修を定期的に実施すること。

被災者は、クリーニング店の店舗受付カウンターにて作業中、カウンターの下にある電源コードに足をひっかけ、転倒し、手首を骨折した。 店舗受付カウンターの下の作業範囲である区域に、電源コードが配線されていたこと。 1)店舗受付カウンター下の電源コードは、足を引っかけたり、絶縁被覆を損傷しないようにコード上をアングルやケーブルカバーで保護し、余ったコードはまとめ、作業範囲から60㎝以上離しておくこと。

2)転倒災害防止のため、労働者に対し、職場における安全衛生教育や研修を十分に実施すること。

「転びやすいから気をつけろ」では労働災害をふせぐことはできません。

転ばないための対策が不可欠です。

会社に要求して、転ばないための対策、安全確保を実施させて労働災害をふせぎましょう。

【編集後記】

ゴールデンウイークがはじまる前日(2022/04/28)に多摩湖までポタリング(自転車散歩)して、トトロの森を散歩しました。

暦通りの休みの方は、これから何日か晴れるようなので明日から遊ぶのに良さそうですね。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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