【障害年金】知的障害による請求は遅れがち

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知的障害による障害年金は20歳からうけとることができます。
しかしの知的障害による障害年金の請求はおくれがちです。
請求がおくれることで、年金をうけとることができなくなる期間が発生することがないように早めに準備をはじめていただきたいと思います。

精神の障害用の診断書

知的障害による障害年金請求の初診日と障害認定日

知的障害による障害年金を請求するときの初診日は生まれた日です。
初診日を証明する資料は必要ありません

初診日を証明する資料は必要ないのですが障害認定日における障害の状態を証明する資料は必要です。

知的障害の障害認定日は20歳の誕生日の前日です。

知的障害による障害年金の障害認定日請求をするときには、障害認定日となる20歳誕生日の前日の前後3ヶ月を現症日とする診断書を添付します。

参考記事
【知的障害による障害年金請求】20歳(障害認定日)診断書準備は早めに

特別児童扶養手当の支給対象となっていた場合は、年金の診断書を省略して、特別児童扶養手当の診断害(写し)でも請求できることになっています。

2.28.1 障害認定日による請求

(2) 診断書の現症日の確認

Check

診断書の現症日が、障害認定日以後3月以内(20歳前障害の場合は20歳到達日又は障害認定日のどちらか遅い日の前後 3月以内)であるか確認する。

Point

障害基礎年金の20歳前障害の診断害は、 20歳到達日又は障害認定日のどちらか遅い日の前後3月以内を現症日とする診断害が必要だが、特別児童扶養手当の支給対象となっていた場合は、年金の診断書を省略し、特別児童扶養手当の診断害(写し)でも請求できる。

ただし、特別児童扶養手当の診断害(写し)で認定ができない場合は、年金の診断書が必要となることがある。

日本年金機構マニュアル「裁定事務(共通確認・審査)」
裁定事務 ( 共通確認・箕査 ) 2.28 – (4)

20歳前障害の障害認定日による請求 年金の診断書を省略し 特別児童扶養手当の診断害 写し でも請求できる

知的障害による障害年金請求は、20歳前後3ヶ月で受診していないと障害認定日請求ができないのが原則です。

ただし、20歳前障害の障害認定日による請求は、年金の診断書を省略して、特別児童扶養手当の診断害(写し)でも請求できます。

知的障害による請求は遅れがち

知的障害は治療が必要な「病気」ではないために、日常的に通院しているわけではないでしょう。

  • 障害年金をうけとることができることをしらなかった。
  • 両親などと生活をともにしていて、障害年金をうけとらずに生活できていたために請求していなかった。
  • 両親が亡くなるなどで、支援が必要になってはじめて障害年金の請求することが検討された。

知的障害による障害年金は請求が遅れがちです。
20歳を待たずに障害年金請求のための準備をはじめていただきたいと思います。

20歳を待たずに19歳には知的障害の診断書の準備をはじめる

20歳前後3ヶ月で受診していないと障害認定日請求ができないのが原則です。

障害認定日請求ができない場合は、事後重症請求をすることになります。

20歳からうけとれるはずだった年金ですが、20歳前後3ヶ月で受診していないと事後重症請求することになり、受けとれない期間が発生してしまいます。

事後重症についての参考記事はこちら
障害年金。事後重症による請求。

20歳前後3ヶ月以内の障害の状態が確認できれば、あとからでも最大5年分さかのぼって年金をうけとることができるが、通院していなかったために請求日の翌月からしかうけとれない。

こんなことにならないように、20歳の誕生日(の前日の)前後3ヶ月現在の症状で診断書を医師にかいてもらえるように、早くから準備をはじめていただきたいと思います。

20歳になって障害年金をうけとれる年齢になったので医師に診断書をかいてもらおうと通院をはじめても、すぐに診断書をかいてもらえるものではないでしょう。

「半年ていど通院して状態をみてから診断書を書きましょう」となれば、診断書をかいてもらい他の書類もそろえて障害年金の請求書を提出するまでの期間の分は年金をうけとれなくなってしまいます。

たとえば高校を卒業するくらいの年齢から知的障害についての障害年金の診断書を書いてくれる医師を探しはじめる、など早めに診断書をうけとるための準備をはじめる。

おそくても19歳の誕生日を機会に障害年金請求用の診断書のために準備をはじめてみてはいかがでしょうか。

20歳前後3ヶ月で受診していないが障害認定日請求が認められた裁判例もある

知的障害による障害年金請求。
障害認定日(20歳)前後3ヶ月の受診歴がなく障害認定日での請求が認められなかったが、裁判によって認められたという事例もあります。

障害年金、診断書なしでも認定可能 不支給取り消し、東京地裁」日本経済新聞 2013年11月8日 21:48

【編集後記】

『メイド・イン・バングラディシュ』
1日1650枚のTシャツをぬって、Tシャツ2〜3枚の値段が1ヶ月分の給料。
縫製工場の女性労働者を描いた映画。
予告編をみて、ぜひ観たいなと思います。コロナが心配なのでネット配信していただけるとありがたいのですが。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格