“君、辞めてもらうよ。”と会社から言われたら、やるべきこと。(期間の定めのない労働契約の終了の3つのパターン)

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解雇通告なのか、退職勧奨なのか、辞職を申し出るように誘引しているのか、どれなのか確認する

“君、辞めてもらうよ。”
“君、辞めてくれ。”
“君、辞めてくれないかね。”

いろいろな言い方があります。

あなたが3ヶ月や1年などの期間を定めた労働契約で働いているのでなければ、
労働契約の終了は、解雇・辞職・合意解約の3つのパターンがあります。

言われたあなたが受けた印象はあると思いますが、

まずは“君、辞めてもらうよ。”など、会社(社長)から言われた言葉の内容を確認することから、どう対処していくかが始まります。

それでは、解雇・辞職・合意解約の3つのそれぞれの意味についてみてみましょう。

労働法の話に入る前に、契約とは何かについて、少しだけみてみます。

契約とは、申し込みの意思表示と承諾の意思表示が合致することで成立する法的な約束で、国家権力による強制力を伴う約束のことです。

私たちは原則として自由に契約をすることができます。
自由主義という憲法の理念のもと、好きな契約を勝手に結ぶことができるのです。

保証契約など書面を要件とする場合を除いては、原則としては申し込みの意思表示と承諾の意思表示が合致すると契約は成立します。契約書などの書面の有無は契約の成立するしないには関係ありません。

契約が成立しているか、成立した契約が有効であるか無効であるか取り消しうるか、契約が成立し有効であれば、成立した契約は相手方の合意がない限り、契約の解除の申し込みと承諾の意思表示が合致しない限り、契約は解除できない、解約できないのが原則です。

契約の内容として解除に関する合意がある場合や法律に定めがある場合は、その内容が検討されます。

相手方が契約を守らない(債務を履行しない)場合は、裁判に訴えて国家権力によって契約を強制させることができます。

民法の入門書で、契約とは何かという原則についてお読みください。

たとえば、伊藤真の民法入門 第6版 などが読みやすいかもしれません。

労働契約も契約ですので、契約の解除をどちらか一方が申し込み相手側がこれを承諾することによって契約を成立させる、契約の解除をする契約が成立します。

民法

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条(1項)
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法627条によって、申し込みと承諾の意思表示が合致することなく、使用者(会社・社長)か、労働者(勤め人)のどちらかが、相手方に一方的に解約を通知する(相手方に労働契約の解除の意思表示が到達する)ことで、労働契約を一方的に解約することができます。

使用者(会社・社長)から行われる労働契約の一方的な解約を、“解雇”と呼びます。

労働者(勤め人)から行われる一方的な解約を、“辞職”と呼びます。

労働者は使用者に対して解約の意思表示が到達して2週間経過すると、辞職できます。

使用者は労働者に対して解約の意思表示をしたとしても、労働契約法によって解雇には正当事由が必要とされていますし、労働基準法などの個別法でも解雇には制限がされています。

また、民法627条では解約の意思表示が相手方に到達してから2週間で解約の効果が生じますが、労働基準法20条1項で使用者が労働者を解雇しようとする場合は少なくても30日前に予告することが義務付けられています。

30日前に解雇予告をしない使用者は30日に不足する日数分の賃金を支払わなければならないことになっています。(解雇予告手当を支払ったからといって、正当事由がないなど無効な解雇は有効になりません。)

期間の定めのない労働契約の終了の3パターン

「解雇」 使用者からの一方的な労働契約の解約。

解雇は、使用者からの一方的な労働契約の解約です。

労働者の承諾の問題は生じません。

「辞職」 労働者からの一方的な解約。

辞職は、労働者からの一方的な解約です。

使用者の承諾の問題は生じません。基本的に労働者が辞めるのは自由です。

民法627条によって2週間の予告期間が必要です。
労働者は使用者に対して、辞める2週間前に労働契約を解約する意思表示が到達することが必要です。

合意解約

使用者・労働者のどちらかが相手方に対して、労働契約を解約を申し込み、相手方が承諾すると成立します。

私たちは原則として自由に契約をすることができます。契約を解除するという契約も同じです。
自由主義という憲法の理念のもと、契約の自由の原則が当てはまります。

労働契約の解約の申し込みを労働者がした場合は、使用者が承諾の意思表示をすると、労働契約は解除されてしまいます。

“こんな会社今すぐ辞めてやる!” (労働契約の解約の申し込みの意思表示)
“おー、上等だ。辞めて結構だ。” (労働契約の解約の申し込みへの承諾の意思表示)

心裡留保(そんな気は本当はなかった)・錯誤(勘違いしていた)という、問題もありますが、気をつけたいところです。

解雇通告だったらどうする、退職勧奨だったらどうする

先ずは、解雇通告なのか、退職勧奨にすぎないのか、使用者に確認する必要があります。
その上で、どのように対処するか、行政や相談機関に相談して方針を立てていく必要があります。

たとえば、日本労働弁護団ホットライン(相談料無料)があります。

解雇通告だったらどうするか

使用者からの申し出による一方的な労働契約の終了を解雇といいますが、解雇は、使用者がいつでも自由に行えるというものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、労働者をやめさせることはできません(労働契約法第16条)。解雇するには、社会の常識に照らして納得できる理由が必要です。

例えば、解雇の理由として、勤務態度に問題がある、業務命令や職務規律に違反するなど労働者側に落ち度がある場合が考えられますが、1回の失敗ですぐに解雇が認められるということはなく、労働者の落ち度の程度や行為の内容、それによって会社が被った損害の重大性、労働者が悪意や故意でやったのか、やむを得ない事情があるかなど、さまざまな事情が考慮されて、解雇が正当かどうか、最終的には裁判所において判断されます。
また、一定の場合については法律で解雇が禁止されています。(以下、主なもの)

<労働基準法>
業務上災害のため療養中の期間とその後の30日間の解雇
産前産後の休業期間とその後の30日間の解雇
労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇

<労働組合法>
労働組合の組合員であることなどを理由とする解雇

<男女雇用機会均等法>
労働者の性別を理由とする解雇
女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後の休業をしたことなどを理由とする解雇

<育児・介護休業法>
労働者が育児・介護休業などを申し出たこと、又は育児・介護休業などをしたことを理由とする解雇

使用者は、就業規則に解雇事由を記載しておかなければなりません。
そして、合理的な理由があっても、解雇を行う際には少なくとも30日前に解雇の予告をする必要があります。
予告を行わない場合には、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。予告の日数が30日に満たない場合には、その不足日数分の平均賃金を、解雇予告手当として、支払う必要があります。例えば、解雇日の10日前に予告した場合は、20日×平均賃金を支払う必要があります。(労働基準法第20条)。
さらに、労働者が解雇の理由について証明書を請求した場合には、会社はすぐに労働者に証明書を交付しなければなりません(労働基準法第22条)。

整理解雇

使用者が、不況や経営不振などの理由により、解雇せざるを得ない場合に人員削減のために行う解雇を整理解雇といいます。これは使用者側の事情による解雇ですから、次の事項に照らして整理解雇が有効かどうか厳しく判断されます。

人員削減の必要性
人員削減措置の実施が不況、経営不振などによる企業経営上の十分な必要性に基づいていること
解雇回避の努力
配置転換、希望退職者の募集など他の手段によって解雇回避のために努力したこと
人選の合理性
整理解雇の対象者を決める基準が客観的、合理的で、その運用も公正であること
解雇手続の妥当性
労働組合または労働者に対して、解雇の必要性とその時期、規模・方法について納得を得るために説明を行うこと

「労働契約の終了に関するルール」厚生労働省

退職勧奨をされたらどうするか

労働者には、退職勧奨に応じる義務はありません。辞めませんといって断ることができます。

社会通念上の相当性を欠く手段・方法による退職勧奨は「退職強要」として違法です。
(損害賠償や差し止めの対象になります。)

退職勧奨について
解雇と間違えやすいものに退職勧奨があります。退職勧奨とは、使用者が労働者に対し「辞めてほしい」「辞めてくれないか」などと言って、退職を勧めることをいいます。これは、労働者の意思とは関係なく使用者が一方的に契約の解除を通告する解雇予告とは異なります。
労働者が自由意思により、退職勧奨に応じる場合は問題となりませんが、使用者による労働者の自由な意思決定を妨げる退職勧奨は、違法な権利侵害に当たるとされる場合があります。
なお、退職勧奨に応じて退職した場合には、自己都合による退職とはなりません。

「労働契約の終了に関するルール」厚生労働省

参考引用文献

最新のVer.7は、日本労働弁護団ホームページの上にある「出版物一覧」をクリックすると書籍一覧と注文ページが開きます。

この書籍には、労働契約の終了の問題についても、詳しく記載されています。

今日の1日1新:自家製レモン水

寒かったり、暑くなったり。体調を整える必要がある天候です。
今日は暑かったです。

レモンスライスを入れた水をピッチャーに入れて冷蔵庫に入れて冷やします。

すっきりサッパリして美味しく飲めます。

『大草原の小さな家』で、ローラのお父さん(チャールズ)が真夏の炎天下で畑仕事をしているときにレモン水を飲んで大喜びしているところが書かれていたのを思い出しました。納得です。これからの季節に合う飲み物です。

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小倉 健二 ( 特定社会保険労務士 )東京都 ※相談は新宿近辺にて

小倉健二(おぐらけんじ) 1965年生まれ53歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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