脳血管疾患による障害年金は初診日から1年6ヶ月待たずに請求できる場合がある

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障害年金をうけとるには障害認定日から3ヶ月以内の診断書を添付して請求します。

障害認定日は障害の原因となる病気やケガではじめて医師の診療を受けた日から1年6月を経過した日です。

しかし、治った(症状固定した)場合は治った日が障害認定日となりますから、初診日から1年6月経過していなくても障害年金を請求できます。

脳血管障害による機能障害の場合はどうなるのでしょうか?

障害認定日とは

障害基礎年金等の支給を受けることのできる障害の程度の状態にあるかを判断する日を障害認定日といいます。

障害認定日は、初診日から1年6月を経過した日。

または、初診日から1年6月を経過する前に治った日をいいます。

治った日とは、身体の一部を失った日や症状が安定して長期にわたってその病気やケガの固定性が認められ、医療上、治療の効果が期待できないと判断された日のことをいいます。

障害認定日は、障害年金の受給権の発生日となります。

(障害認定日に障害年金をうけとることのできる程度の障害の状態になかった場合は、障害等級に該当する状態になって障害年金を請求した日が受給権の発生日です。)

障害認定日による請求をする場合には、障害認定日の現症を明らかにする障害年金請求するための専用の診断書(障害認定日以後3月以内の現症の診断書)を添付します。

国民年金法30条(障害基礎年金の支給要件)

(1項)障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日その期間内にその傷病が治つた場合においては、その治つた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。

ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。

1号 被保険者であること。

2号 被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、六十歳以上六十五歳未満であること。

2項 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから一級及び二級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。

厚生年金保険法47条(障害厚生年金の受給権者)

(1項)障害厚生年金は、疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において被保険者であつた者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治つた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。以下同じ。)があるときは、その日とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に、その障害の程度に応じて、その者に支給する。

ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。

2項 障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級、2級及び3級とし、各級の障害の状態は、政令で定める。

障害認定日は原則として初診日から1年6月経過した日です。

しかし治った(症状固定した)場合は、1年6月経過していなくても治った日が障害認定日になりますから障害年金をうけられる日が早くなります。

脳血管障害による機能障害がある障害認定日

脳血管障害による障害認定日

脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6月経過した日以降に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど認められるとき。

初診日から1年6月を経過した日以前でも障害認定日として取り扱われることになっています。

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」(2017年12月1日改正)第9節/神経系統の障害 日本年金機構ホームページ

【脳血管障害による機能障害】リハビリをしていて治っていない(症状固定していない)と判断される場合

「リハビリ」をしているから治っていない(症状固定していない)と一律に判断されるわけではありません。

下の表のような「リハビリ」の場合は、治っていないと判断されます。

【神経系統の障害】脳血管障害により機能障害を残している場合で、医学的に症状が固定していないと判断される例
1 入院してリハビリを継続している場合
2 週に2〜3回または週に3回〜4回通院してリハビリを継続している場合
3 老人健康保健施設などに入所してリハビリを継続している場合

「国民年金・厚生年金保険障害認定基準の一部改正について(平成24年5月29日付)に係る照会」

治っていない場合は、初診日から1年6月経過した日が障害認定日になります。

治っている場合は、治った日が初診日になりますから、初診日から1年6月待たずに障害年金を請求することができます。

【編集後記】

新型コロナウイルス感染がまた広がってきています。
昨年は駒込駅前の六義園に紅葉を見に行きましたが、今年は人混みしない郊外の大きな公園に行ってみようかと思っています。

昨日の1日1新 「プリン!?なチーズケーキ」

プリンなチーズケーキ 1

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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