【障害年金の請求】社会的治癒とはなにか?

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社会保険の運用上認められている「社会的治癒(ちゆ)」という考え方があります。

障害認定日は「初診日」から1年6月を経過した日

障害認定日とは障害の程度の認定を行なうべき日のことです。

障害年金を請求する原因となる病気やケガの初診日から1年6月を経過した日が障害認定日です。

初診日から1年6月経過前に病気やケガが「治った」ら治った日が障害認定日

初診日から1年6月以内に病気やケガが「治った」場合は、「治った」日が障害認定日になります。

「治った」には、症状が固定し治療の効果が期待できない状態となった日も含まれます。

初診日とは

初診日とは、障害の原因となった傷病につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日のことです。

「傷病が治った」あとに、再び病気なった場合の初診日はいつか?

「治った」のであれば、再び病気になったときの初診日は病気が再発してはじめて医師または歯科医師による診療を受けた日です。

障害年金は「初診日」を基準にして保険料納付要件、年金加入要件、障害認定日における障害状態で支給が判断されます。

医学的には治癒していないが、社会保険運用上認められる「社会的治癒」とは

「社会的治癒」とは、社会保険(健康保険、障害年金)の運用上認められている「治癒」した(病気やケガが「治った」)とみる考え方です。

  • 病気やケガが医学的には治癒したとはいえない。
  • 病気やケガの症状が消えている。
  • ある程度の年数を健常者と変わりのない社会生活を送ってきた。
  • 服薬があったとしても予防的な範囲のものである。

総合的に判断して「社会的治癒」が認められると、再発「前」の病気やケガと再発「後」の病気やケガは別のものとして扱われることになります。

社会的治癒とは、医学的判断としてはいまだ治癒したとはいえない場合でも、臨床的に症状がなくなり、あるいは安定して、予防的治療 の範囲を超える治療や投薬を要しない状態であって、かつ、このような状態が相当期間継続し、その間一般人と同様、労務に服することができた場合には、疾病が社会的に治癒したとみる考え方である。

社会保険審査会裁決 平成27年(健)第55号

社会保険の運用上、いわゆる社会的治癒の概念の下に、傷病が医学的な意味では治癒したとはいえないが、その症状が消滅して社会復帰 が可能となり、かつ、予防的医学管理を除いた治療を要せず、外見上治癒したとみえるような状態が、ある程度の期間にわたって継続した場合には、これを治癒に準じて取り扱うことが承認されているところである。

社会保険審査会裁決 平成26年(厚)第401号

社会保険の運用上、過去の傷病が治癒した後再び悪化した場合は、再発として過去の傷病とは別傷病として取り扱い、治癒が認められない場合は、 過去の傷病と同一傷病が継続しているものとして取り扱われるが、医学的には治癒していないと認められる場合であっても、軽快と再度の悪化との間に社会的治癒があったと認められる場合には、再発として取り扱われるものとされている。
医学的知見によれば理想的な「疾病の治癒」は、原状の完全回復であって、「治癒操作、すなわち、薬物の持続的服薬、日常生活の制限、補助具の装用などを行わなくても生体の機能が正常に営まれ、かつ、病気の再発が予 測されない状態」と定義することがで きるが、大部分の精神障害では上記の理想的治癒はなかなか得られないところ、多くの精神障害については、「日常生活にあまり障害を与えない治療 続けて受けていれば、生体の機能が正常に保持され、悪化の可能性が予測されない状態」を「社会的治癒」の状態とみることができることに鑑み、当審査会は、薬物の持続的服薬が予防的服 薬の範疇にあると認められ、健康保険 の被保険者として、健常者と変わりの ない社会生活を送ってきたと判断できる場合は、社会的治癒を認めてきた。

社会保険審査会裁決 平成22年(健)第268号

社会的治癒後の障害年金の初診日は、社会的治癒「後」の病気やケガではじめて医師・歯科医師による診療を受けた日になります。

再発「前」の病気やケガの初診日の前日では保険料納付要件を満たさなかった場合でも、社会的治癒が認められれば再発「後」の初診日の前日で保険料納付要件を満たせば良いことになります。

障害が3級の状態の場合、
再発「前」の病気やケガの初診日に加入していたのが国民年金(障害基礎年金)は受けとれません。
再発「後」の病気やケガの初診日に厚生年金に加入していたなら3級の障害厚生年金を受けとることができます。

障害年金の支給が認められなかった場合でも、その後に何年も経って「社会的治癒」も含めて「治癒」があった場合には、「治癒」後であれば、同じ病気になったとしても治ったあとの新たな病気やケガとして障害年金を請求することができます。

医学的には治癒したと言えない場合でも、社会保険運用上「社会的治癒」したと認められる場合があるということを知っておいていただきたいと思います。

【編集日記】

室温23℃。(2021/08/16 10:00)先週に比べて10℃以上低い。

東京では何日か前は最高気温が38℃39℃だったのに、週末そして今日も涼しいよりも寒いくらいです。

こんな低い気温の8月は記憶にありません。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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