社員旅行中にケガをしたら労災になるか?

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最近は少なくなったように思いますが「社員旅行」に行くということもあるでしょう。
社員旅行の途中でケガをしてしまったとき、労働災害になるのでしょうか?

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社員旅行中にケガをした。労災か?

運動会、忘年会など宴会・懇親会、社員旅行など、通常の仕事とはべつに仕事に関連するイベントに参加することもあるでしょう。

労働災害と認められれば、

  • 療養補償給付が受けられるので診療・薬代・入院費などが無料になります。
  • 療養のために仕事を休んだ日は休業補償給付が出ますから給料(平均賃金)の約8割を受けとれます。

社員旅行にでかけている途中でケガをして病院で診療を受けた。

病院での診療を受けた、入院したり仕事を休んで自宅で療養したという場合、労災保険から保険給付を受けることができるのでしょうか?

業務遂行性と業務起因性があれば業務災害(労災)と認められる

社員旅行でケガをした。
社員旅行ですから通勤ではありませんので、業務災害として認められるのかという問題です。

業務災害として認められるためには、会社のイベントとして行われる社員旅行が「業務」「業務行為」であると認められることが必要です。

社員旅行が「業務」である、業務遂行性があると認められる。

そして、その社員旅行という業務・業務行為にともなう危険が現実化して事故(ケガ)が起きたのだと経験則上わかる、業務起因性が認められる。

業務遂行性と業務起因性が認められると、社員旅行でのケガは業務災害になります。

社員旅行で業務災害に遭った労働者は、労災申請(労災保険の保険給付を請求)することで、労災保険から保険給付を受けることができます。

幹事・世話役などの職務として社員旅行に参加した場合などは業務遂行性が認められるでしょうが、それ以外の参加者に業務遂行性が認められるのでしょうか?

社員旅行の目的・参加方法・費用負担などによって個別に業務化どうかが判断される

幹事・世話役などの職務以外での、社員旅行の参加者に業務遂行性が認められるのでしょうか?

「慰安」旅行なのか「研修」旅行なのかなど社員旅行の名称で判断されるわけではありません。

社員旅行の目的・参加方法(強制参加か、出勤扱いで賃金支給されるか)・費用負担(旅行費用は全額会社負担か労働者負担の内容はどうか)など、社員旅行の実態によって業務なのかどうか?個別に判断されることになります。

社員旅行が業務ではないと判断されれば、社員旅行の途中でケガをしても業務災害ではありません。

社員旅行は通勤でもありませんので業務災害でなければ、労災保険からの保険給付を受けることはできません。

参考になる例として、社員旅行途中での事故による死亡が業務災害であるか争われた裁判があります。

多治見労基署長遺族補償等不支給処分取消事件です。

社員旅行の

  • 主目的が研修とはいえず、観光と慰安が主目的の旅行である
  • 労働者自己負担額が3万円と高額である
  • 参加・不参加にかかわらず賃金が支払われていない社員がいる
  • 不参加者が相当高い割合でいる
  • 参加は社員に任されていて会社から強制されていない

と裁判では認定されました。

これらの諸事情を総合して判断すると、この社員旅行は業務として行われたとは理解することが難しい。

したがって、この社員旅行に参加したことに業務遂行性が認められないから、業務上の事故で死亡したとは認められないと判断されました。

社員旅行の参加者が旅行中にケガをした場合に、労働災害であると認められるのはハードルが低いとは言えない内容の判決です。

裁判所のホームページから判決文を読んでみましょう。

多治見労基署長遺族補償等不支給処分取消事件 1999年11月1日裁判 岐阜地方裁判所 事件番号 平成11(行ウ)12 判決文

【編集日記】

昨日(2021/08/10)はとても暑かったです。
そんな日に限って晴雨兼用の折りたたみ傘をカバンに入れ忘れてしまい。
さいわい風が強かったので日陰は過ごしやすく公園で一休みしました。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ56歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  

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