【健康保険・厚生年金の資格確認請求】国民健康保険・国民年金の保険料を返してもらえるのか?

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健康保険・厚生年金の被保険者資格の確認請求。

過去2年までさかのぼって被保険者であったと認められ保険給付を受けられます。

受けとれる老齢年金の額が増える、障害年金・遺族年金を受けるための要件を満たす場合があるなど、健康保険・厚生年金の被保険者資格が過去にさかのぼって確認されると労働者にとって有利です。

そして、確認された被保険者期間について被保険者は労働者負担分の保険料を払うことになります。

しかし、この期間の分は国民健康保険・国民年金の保険料を払っています。

すでに払った国民健康保険・国民年金の保険料は戻ってくるのでしょうか?
それとも年金と医療保険の2つの社会保険料を二重払することになるのでしょうか。

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厚生年金・健康保険【被保険者資格の確認請求】

会社が厚生年金・健康保険の社会保険加入手続きをしない場合は、労働者は被保険者であることの確認を請求できます。

労働者が行なう被保険者資格の確認請求

受けとれる老齢年金の額が増える

障害年金・遺族年金(・老齢年金)を受けるための要件を満たす場合がある

傷病手当金を受ける、など

健康保険・厚生年金の被保険者資格が過去にさかのぼって確認されると労働者にとって有利です。

労働者が確認の請求をすると過去2年前にさかのぼって被保険者であったことが確認されます。

たとえば、障害の原因となる病気やケガをしてその日に病院に入院した日(初診日)から1年6月経過して障害年金の3級に該当する程度の障害の状態にあったとします。

この初診日では会社が厚生年金保険・健康保険の加入手続きをしていなかったとします。

厚生年金保険・健康保険の被保険者資格の確認請求をして、初診日が被保険者だったと確認されたとします。

  • 入院した日から1年6月の間は給料の約2/3の金額の傷病手当金を健康保険から受けられます。
  • 入院した日から1年6月経過した日の翌月から3級の障害厚生年金を受けられます。

被保険者資格の確認請求をしなければ、どちらも全く受けとることができません。

会社が厚生年金・健康保険の社会保険加入手続きをしていない会社で働いている場合は、被保険者資格の確認請求をしましょう。

被保険者資格の確認請求は、労働者が「厚生年金保険・健康保険被保険者資格確認請求書」を年金事務所に提出して行ないます。

厚生年金保険健康保険被保険者資格確認請求書

<厚生年金保険法>31条(確認の請求)

被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、第18条第1項の規定による確認を請求することができる。

<厚生年金保険法>18条1項(資格の得喪の確認)

被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣の確認によつて、その効力を生ずる。ただし、第10条第1項の規定による被保険者の資格の取得及び第14条第3号に該当したことによる被保険者の資格の喪失は、この限りでない。

<健康保険法>51条(確認の請求)

被保険者又は被保険者であった者は、いつでも、第39条第1項の規定による確認を請求することができる。

<健康保険法>39条1項(資格の得喪の確認)

被保険者の資格の取得及び喪失は、保険者等(被保険者が協会が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては厚生労働大臣、被保険者が健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合にあっては当該健康保険組合をいう。第164条第2項及び第3項、第180条第1項、第2項及び第4項並びに第181条第1項を除き、以下同じ。)の確認によって、その効力を生ずる。ただし、第36条第4号に該当したことによる被保険者の資格の喪失並びに任意継続被保険者の資格の取得及び喪失は、この限りでない。

厚生年金・健康保険の被保険者であると認められた期間は、さかのぼって保険料を払う

被保険者である(被保険者であった)ことの確認は、原則2年間です。

2年よりも前の期間は原則として被保険者であったとは認められませんので、資格確認請求は早めに行ないましょう。

そして、さかのぼって被保険者として認められた期間は厚生年金保険・健康保険ともに保険料を払っていませんから、保険料を払うことになります。

厚生年金保険と健康保険の保険料は会社負担分と労働者負担分があります。

資格確認請求をして被保険者と認められた期間の労働者負担分の保険料は労働者が払うことになります。

<厚生年金保険法>92条(時効)

保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利は、2年を経過したとき、保険給付を受ける権利(当該権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利を含む。第四項において同じ。)は、五年を経過したときは、時効によつて、消滅する。

<健康保険法>193条(時効)

保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅する。

過去2年分までさかのぼって、労働者が被保険者資格の確認請求をすることで被保険者であったと確認されます。

被保険者であったことが確認された過去2年分について、被保険者(労働者)は保険料の労働者負担分を払うことになります。

そうすると、厚生年金保険料と健康保険料を払うと、国民年金保険料・国民健康保険料をすでに払っているので保険料を二重払いすることになります。

厚生年金・健康保険【被保険者資格の確認請求】すると、社会保険料を二重払いして損することになるのでしょうか?

そうではありません。社会保険料を二重払いで損することがないように還付請求ができます

二重払いとなる国民年金・国民健康保険は還付請求して、還付(払い戻し)を受ける。

種類 提出書類 提出先
国民年金保険料 国民年金保険料還付請求書 年金事務所 1ヶ月後くらいに(会社ではなく被保険者が)指定した口座に入金される。
国民健康保険料 国民健康保険料還付請求書 区市町村 還付(払い戻し)をうける。

<国民年金法>102条4項

保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。

<国民健康保険法>110条(時効)

(1項)保険料その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によつて消滅する。

2項 保険料その他この法律の規定による徴収金の徴収の告知又は督促は、時効の更新の効力を生ずる。

<国民健康保険法>110の2条(賦課決定の期間制限)

(1項)保険料の賦課決定は、当該年度における最初の保険料の納期(この法律又はこれに基づく条例の規定により保険料を納付し、又は納入すべき期限をいい、当該納期後に保険料を課することができることとなつた場合にあつては、当該保険料を課することができることとなつた日とする。次項において同じ。)の翌日から起算して2年を経過した日以後においては、することができない。

2項 保険料の賦課決定をした後に、被保険者の責めに帰することのできない事由によつて被保険者に関する医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法をいう。)との間における適用関係の調整を要することが判明した場合における保険料の額を減少させる賦課決定は、前項の規定にかかわらず、当該年度における最初の保険料の納期の翌日から起算して2年を経過した日以後であつても、当該年度における最初の保険料の納期の翌日から起算して調整に必要と認められる期間に相当する期間を経過する日まですることができる。

【編集後記】

国民年金よりも厚生年金保険に加入している方が被保険者にとって有利です。
国民健康保険よりも健康保険に加入している方が被保険者にとって有利です。

厚生年金保険と健康保険は給付が受けられる要件が有利ですし、受けられる給付の内容でも有利です。

保険料は半額会社負担ですから、保険料の本人(労働者)負担は半額ですみます。

会社が社会保険(厚生年金保険、健康保険)の加入手続きをしていない場合は、労働者が年金事務所に資格確認請求をすることで過去2年までさかのぼって被保険者であったことが確認されます。

被保険者として確認された過去2年までの保険料の労働者負担分について支払いますが、支払ったその期間の国民年金と国民健康保険の保険料は還付請求することで還付され(戻ってき)ます。

被保険者資格の確認請求は過去2年前までしかさかのぼりませんので、心当たりのある人は早急に資格確認請求しましょう。

雇用保険も確認の請求ができます。

労災保険は被保険者になるものではありませんから、会社が労災保険の加入手続きをしていない場合でも関係なく保険給付の請求ができます。
(しかし、労災保険も保険給付を受けられる期間があります。時効消滅した期間についての保険給付は受けられなくなります。)

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ56歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  

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