健康保険・労災保険【埋葬料(埋葬費)葬祭費、葬祭料】利用して質素に葬儀をしよう

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  • 葬儀はお金をかけずに質素にしたい。
  • 自分が死んだあとに、残された人に費用の負担をかけたくない。

意外と知られていませんが、健康保険や労災保険から葬儀にかかわる支給があることを知っておきましょう。

新宿区内のビルの池に咲く蓮(ハス)の花。天国のイメージ。

あなたも私もいつか死ぬ

(A)人はいつか死ぬ。

(B)カエサルは人である。

(C)カエサルはいつか死ぬ。

(A)=(B)

(B)=(C)

∴(A)=(C)

偉大な英雄カエサルに死が訪れるとは思われなくても、人である以上カエサルも死を免れることはできない。

学生のときに論理学の講義で学んだ三段論法の話です。

講義ではカエサル(ジュリアス・シーザー)でしたが、ネットで検索するとソクラテスで例えるのが正しいようです。

法学入門で聞いたことがあるという方も多いかもしれません。

「ソクラテスは人間なので死を免れない。」という一文は三段論法として以下のように分析できる。

  • 全ての人間は死を免れない。(大前提)
  • ソクラテスは人間である。(小前提)
  • ゆえに、ソクラテスは死を免れない。(結論)

省略三段論法 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

抽象的に「人はいずれ死すべき存在である」ということは理解していても、具体的に自分自身のことを実感をもって理解することは難しいことかもしれません。

しかし、いつかは必ずやってくる自分の「死」。

自分が死んだあとの葬儀について、考えておくことは大切です。

私なら葬儀は連れ合い(お嫁さん)と子どもだけでしてほしい

「葬儀はお金をかけずに質素にしたい。」

私ならそう考えます。

もっと、言ってしまえば自分の連れ合いと子どもだけで葬儀は行なってほしい。

親しかった友人や親戚が亡くなって葬儀に参列したときに、お義理で参加している人の姿に驚いたのが影響しているのかもしれません。

「忙しいのに何でオレが出張先から駆けつけなくちゃいけないんだ。参るよ・・・。」と言っていたエライ立場の人。

参列者から見える場所でタバコを吸いながら大笑いして携帯電話で話していたエライ立場の人。

涙ながらに別れの挨拶をしていたのに、別の部屋に移ってお通夜になったとたんに大笑い・大騒ぎでいつまでも酒を飲んでいた人。

  • なぜこのひとは来たのだろう?(世間体や利害関係で来たのでしょうが本当に驚きます。)
  • こんなことをするなら来ないでほしい。(こんな人なんか来ない方がいい。)

こんな人を見てきたからでしょうか?

もちろん素晴らしい方もたくさんいました。

意外な方でこの人はすばらしいなと思ったのは、葬儀屋に派遣されてきたスタッフ(労働者)の方でした。

誰も気づかないようなときに、遺影に黙礼して静かに入室し、帰る(退勤)ときにタクシーの中で一礼して目を伏せたまま去っていきました。

この派遣労働者の方はもちろん亡くなった方に何の縁もない方です。

遺族の気持ちを考えて礼を尽くしてくれたのです。

亡くなった方の連れ合いの職場の方が葬儀の事業に関わっていたのですが、その「正規」労働者が葬儀場で葬儀事業を自慢していた態度と対象的でした。

親しい友人や親戚を見送ったときに見たいろんな人の言動が、葬儀とはなんだろうと考えるきっかけになりました。

私は、お通夜や告別式などいりません。

火葬は必要ですから省くことはできません。

連れ合いと子どもだけで火葬に立ち会って見送ってもらいたいです。

火葬するまで住んでいた家に置いておいていただければありがたいですが、賃貸アパートなので難しいでしょうから無理は言えません。

いわゆる「家族葬」よりもっとシンプルな直葬・火葬式でしょうか。

この形なら、無理なく費用を残しておけるでしょう。
万が一残せなかったとしても費用の負担は最小限ですみます。

健康保険・労災保険から葬儀代が出る

人生一度きりの最後のお別れ。生前に関わりのあった多くの方に見送っていただきたいと思われる方も少なくないかもしれません。

残された方に葬儀費用の負担をかけたくないと考える方、本当に親しかったごく少ない方だけに静かに見送っていただきたい方もいらっしゃると思います。

葬儀にかかる費用は葬儀のあり方で大きく変わります。

お通夜・本葬儀をする場合はそれなりに費用がかかるものです。

家族だけで行なう家族葬、火葬だけを行なう直葬(火葬式)となるにしたがって費用は少なくすみます。

葬儀の形式の他にも、火葬までの日にちによってドライアイスや安置費用が増えますし安置場所や火葬場までの専用車の費用は走行距離で料金が増えたりします。

自分が希望する葬儀のあり方を今のうちから考えておいて、かかる費用を貯金しておくなど準備しておけば、残された方に負担をかけずにすみます。

生前に本人が葬儀の希望を残していなかった場合や、かかる費用を準備していなかった場合も、費用を無理せずに簡素な形で葬儀を行なうことも検討してみてはいかがでしょうか?

健康保険、国民健康保険、労災保険から埋葬料(埋葬費)、葬祭費、葬祭料が支給される

国民健康保険の場合「葬祭費」健康保険の場合「埋葬料」もしくは「埋葬費」

健康保険(協会けんぽ)

被保険者が亡くなったときに、申請すると埋葬料・埋葬費が支給されます。

健康保険 埋葬にかんする給付
埋葬料 被保険者が亡くなったとき、被保険者に生計を維持されていた人に「埋葬料」として5万円が支給されます。
埋葬費 被保険者が亡くなったとき、被保険者に生計を維持されていた人がいないときには実際に埋葬を行った人(費用を支払った人)に「埋葬費」として埋葬に要した費用(上限5万円)が支給されます。
埋葬料 被扶養者が亡くなったとき、被保険者に「埋葬料」として5万円が支給されます。

健康保険法100条(埋葬料)

(1項)被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額を支給する。

2項 前項の規定により埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、同項の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。

国民健康保険(国保)

被保険者が亡くなったときに、申請すると埋葬費が支給されます。

国民健康保険法58条(その他の給付)

(1項)市町村及び組合は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。

国民健康保険からの葬祭費は自治体によって金額がことなります。

新宿区の場合は7万円支給されます。

後期高齢者医療被保険者についても同額が支給されます。

新宿区の近辺では、杉並区は葬祭費について「火葬のみや会食代のみの領収書では受付けできません」とあります。
『保存版令和2年度2020年度国保のてびき』(杉並区保健福祉部国保年金課)

直葬(火葬式)を行なう場合に葬祭費が支給されるか事前に役所に確認しておきましょう。

国民健康保険法58条(その他の給付)

市町村及び組合は、被保険者の出産及び死亡に関しては、条例又は規約の定めるところにより、出産育児一時金の支給又は葬祭費の支給若しくは葬祭の給付を行うものとする。ただし、特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる。

労災保険から給付が受けられる場合は、健康保険・国民健康保険とくらべると受けとる金額が大きくなります。

労災保険法17条

葬祭料は、通常葬祭に要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める金額とする。

葬祭料等 (葬祭給付)は、業務災害・複数業務要因災害または通勤災害により死亡した人の葬祭を行うときの給付です。

315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額(その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合は、給付基礎日額の60日分)が支給されます。

生活保護を利用している方が亡くなった場合には、葬祭扶助が支給されます。

【編集後記】

私は55歳。健康に恵まれていますし、まだまだ生きるだろうと思っています。

しかし、小さな子どもや若者のようにいくらでも時間があるとも思っていません。

生きる(生活する)ためには、お金は必要です。

しかしお金を得られるからといって意味を見いだせないことについやすほどの時間はありません。

お役に立てると思ってお受けしたものの、依頼していただいた方が本当は必要としていなかったということに取り組んでから気づいて愕然としたことはありまでしょうか。

「なぜお金を払ってわざわざご依頼いただいたのだろう?」

お受けしたあとであっても仕事をやめさせていただかなければならないこともあるのかなと悩んでいるところです。

かかわる方に本当にお役に立てること以外の仕事はなくしてしまわなければと日々考えています。

そう思っているからこそ、サラリーマンをやめたのですから。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格