【強制労働】労働基準法で一番重い刑罰の犯罪

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「脅迫して労働させた50代の男を逮捕 沖縄県警が強制労働禁止で摘発は初」という見出しのニュース。
検察と弁護士が事実をもとに裁判で主張しあって決まるので、逮捕されたからといって実際に罪を犯したとは限りませんが、労働基準法で一番思い刑罰が定められている強制労働の禁止について知っておきましょう。

労働基準法

辞めたいと言っているのに辞めさせないというのは強制労働禁止に反して違法

労働者の意思に反して労働を強制すると犯罪です。

結果として労働してなくても、労働者の意思に反して労働を強制したら犯罪になります。

たとえば、労働者本人が会社を辞めたいと言っているのに、辞めさせないで働かせる。
労働者の意思に反して労働を強制することは強制労働の禁止に反する犯罪です。

「脅迫して労働させた50代の男を逮捕 沖縄県警が強制労働禁止で摘発は初」という見出しのニュース。

飲食店で働く労働者が辞職を申し出ていたのに、話がちがうなどと脅迫して強制的に働かせた疑いがあるとのことです。

労働基準法5条(強制労働の禁止)

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

強制労働は労働基準法で一番重い刑罰

強制労働の禁止に違反すると1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処せられます。

これは労働基準法で一番重い刑罰です。

この一番重い刑罰は強制労働についてだけ適用される規定です。

労働基準法117条

第5条の規定に違反した者は、これを1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金に処する。

労働基準法の刑罰
1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金 第117条
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金 第118条
6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金 第119条
30万円以下の罰金 第120条

たとえば、刑法では暴行は2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金の刑と規定していますが、

暴行によって精神又は身体の自由を不当に拘束し労働者の意思に反して労働を強制した場合は、労働基準法117条で1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金の刑に処せられることになります。

同じ暴行であっても、暴行によって労働を強制した場合は刑法の暴行罪よりも重い刑罰が労働基準法で規定されています。

刑法208条(暴行)

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

それほど、強制労働は許されない犯罪として位置づけられています。

何よりも1人ひとりの個人を尊重することを価値観とする日本国憲法では強制労働は絶対に許されないものなのです。

日本国憲法第18条〔奴隷的拘束及び苦役の禁止〕

何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

労働を強制するための、暴行、脅迫、監禁その他精神または身体を不当に拘束する手段とは

暴行

たとえば、殴る、蹴る、水をかけるなどはすべて暴行です。
痛みを感じるものでなくても暴行になります。ケガなどがなくても暴行です。

脅迫

労働者本人や親族のし生命、身体、自由、名誉・財産に脅迫している本人か別のだれかが危害を加えることを通告することで恐怖心を起こさせるのは脅迫です。暗示する程度でも脅迫です。

監禁

物質的な障害で監禁するだけでなく、たとえば、暴行、脅迫、後難(あとになって大変な目に遭わされること)を恐れて逃げ出せないようにすることなども監禁です。

その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段

暴行、脅迫、監禁などは刑法で規定する犯罪行為ですが、労働者の精神または身体の自由を拘束する手段として禁止されているのは「不法」な手段だけではありません。

たとえ合法的な手段であっても、社会通念上認められない「不当」な手段も禁止されています。

たとえば、長期労働契約、労働契約不履行に関する賠償予定契約、前借金相殺、強制貯金なども労働者の精神または身体の自由を拘束する「不当」な手段として禁止されています。

不当に拘束する手段による強制労働と認められた例

不当に拘束する手段による強制労働と認められた裁判例
1 「泊」と称する芸妓の派出の申込みを受け、本人の承諾を得ずにほしいままにこれを受諾して本人に泊を命じ、渋るにおいては嫌味をいい、結局本人の意思に反して泊をさせたもの。
2 労働者の所持金、化粧道具を取り上げ、さらに就寝時に外出着、シミーズを取り上げて逃走を防ぎ、客をとらせたもの。
3 「父が怪我をしたからすぐ帰れ」という電報について、前に飯場を逃走した者達の作り事であるかのように取り扱い、帰郷に承諾を与えず、意思に反して飯場に留め労働を強制したもの。
4 長期契約労働者の退職申入れに対し「お前達は長期労働契約をしているのだから辞めては困る、辞めるなら前借金や反物を返還してくれ」と脅して労働者の精神の自由を不当に拘束する手段によって引き続き就労させたもの。
5 一度逃走した者が訪れたところ、「黙って出ていかれては世間体も悪い」「行くなら行くと断って行け」等と申し向け、同人の意思に従わないときはいかなることをされるかもしれないと畏怖させて精神的圧迫を加え、意思に反して労働を強制したもの。
6 暴行は加えないが、反抗すればいかなる制裁を加えるかもしれないような気勢を示して労働を行わせたもの。
7 頭痛のため就寝中の労働者の蒲団を剥ぎ取って離床させ、大声で怒鳴りつけ、あるいはまた腕をまくって今にも殴りかかるような態度を示して労働を強制したもの。
8 離職した意思を有することを察知したところ、前借金のほか売掛未収金額を記載した書面に署名及び拇印の押印を強要するとともに、暴力団会員に売掛未収金の取立を委ね、借用証を作成させる等、精神の自由を不当に拘束する手段によって意思に反して労働を強制したもの。

参考・引用 労働法コンメンタールNo.3『平成22年版 労働基準法 上巻』厚生労働省労働基準局編

Amazon 平成22年版 労働基準法 上巻(労働法コンメンタールNo.3)

昭和24年〜昭和40年ころなど古い事例の紹介なので表現は古いですが、今でも別の形で起きているような内容の話です。

厚生労働省の労働基準監督年報でも「定期監督等実施状況・法違反状況」で(労働基準法)5条強制労働が報告されています。

労働基準監督年報 厚生労働省

労働基準監督年報での報告数は少ないのですが、実際には多くの強制労働が行われています。

たとえばニュースなどで報道されている外国人技能実習生の問題、経済的に弱い立場にいる場合の女性やその他にも強制労働が行われています。

強制労働は絶対に許されない犯罪です。

強制労働による被害を受けている人を見かけたら、労働基準監督署、場合によっては警察に通報しましょう。

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昨日の1日1新 玉ねぎと厚揚げの炒め物

玉ねぎと厚揚げの炒め物

冷蔵庫にあった厚揚げと玉ねぎ。ただ炒めて味付けてみたら意外に美味しかったです(^^)。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談(期間限定)「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ54歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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