出勤途上で同僚に肩を押され転んで骨折した❗️これは通勤災害(労災保険)⁉️なる?ならない?

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出勤途上で同僚に肩を押され転倒し負傷した「左大腿骨頸部骨折」は通勤災害になるか

大腿骨頸部。股関節からすぐのところの大腿骨のことですね。
大腿骨頸部骨折。大きな事故です。

会社に出勤するため、会社入口付近を同僚と歩行していたところ、同僚に肩を押されたことから転倒しケガしました。

病院に行って診察を受けたところ「左大腿骨頸部骨折」と診断されました。

このケガは労働災害(通勤災害)になるのでしょうか。ならないのでしょうか。

ケガをした方は、会社に出勤するために、自宅を自家用車で出発し会社駐車場に駐車した後に、徒歩で、会社に向かっていたところ、同僚に肩を押されたことから転倒しケガしました。

同僚と会話しながら歩いていたときに、同僚が相槌の代わりに肩をたたいたところ、傾斜があり不安定な側溝(排水溝)のフタの上でバランスを崩して転倒してケガをしてしまったという事故です。

同僚とは仲が良く、危害を加えようとしたものではなく、日常的によくあるように会話の中で相槌(あいづち)の代わりに肩を叩いたというものでした。

このケガは労災保険法の労働災害(通勤災害)になるでしょうか。ならないでしょうか。

結論としては、今回のケガは労働災害(通勤災害)として認められました。

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労災保険法

第七条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。

一 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「業務災害」という。)に関する保険給付

二 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(以下「通勤災害」という。)に関する保険給付

三 (略)

2 前項第二号の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。

(以下略)

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労災保険法の通勤災害となる「通勤による」とは

「通勤による」の「通勤」とは

(1)労働者が就業に関し行う移動であること
(2)労働者が合理的な経路および方法により行う移動であること
(3)その移動が業務の性質を有していないこと
(4)その移動が、以下の場合であること
「住居と就業の場所との間の往復」か
「厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動」か
「第1号に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動
(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る」」

「通勤による」の「による」とは

「による」とは、「相当因果関係」があることを指します。

「相当因果関係」が認められるためには、2つの事柄の間に原因と結果の関係があり、しかもその原因からその結果が生じることは経験的に見て相当である、

すなわちそれが自然なことと感じられるほどあり得る関係である必要があります。

「通勤による」とは、通勤に通常伴う危険が具体化したことをいいます。

「通勤による」とは、通勤に通常伴う危険が具体化したこと

一般に通勤中に発生した災害は通勤によるものと認められると言えますが、

ケガをした方が故意に(わざと)ケガをした場合や、通勤の途中で個人的な恨みから暴力をふるわれてケガをさせられたという場合は、通勤災害とは認められません。

通勤に内在する危険が現実化したとはいえず、通勤災害とは認められないからです。

参考引用文献『実務者のための労災保険制度Q&A』公益財団法人労災保険情報センター

労働基準監督署長が労災保険の給付をしないという処分を出しても諦めない。ー審査請求・再審査請求がありますー

労働保険審査制度の仕組み

この事故は実際にあった話です。労働基準監督署長が労災保険の給付をしないと処分した事故です。処分を不服とした本人が再審査請求をして労働保険審査会で給付をしないとする処分が取り消されました。

ケガをした方は労働災害(通勤)災害であるとして、労働基準監督署に療養給付・休業給付を請求しました。

労働基準監督署長は、このケガは“通勤によるものとは認められない”として支給しないという処分をしました。

ケガをした方は、この支給しないという処分を不服として、労災保険審査官に審査請求をしました。

労災保険審査官は、審査請求を棄却しました。

ケガをした方は、審査請求を棄却するという決定を不服として、労働保険審査会に再審査請求をしました。

そして、労働保険審査会による再審査の結果、「療養給付及び休業給付を支給しない旨の処分は、これを取り消す。」とされました。

この方のケガは、労働災害(通勤災害)として療養給付・休業給付が受けられるようになったのです。

原処分庁の意見や審査資料、審査会での事実認定などの資料が見当たりませんので、療養給付及び休業給付を支給しないという処分がどのような理由でされたのかはわかりません。

労働基準監督所長が「本件傷病は通勤によるものとは認められないとして、これらを支給しない旨の処分をした」とありますので、

同僚が会話の相槌として肩をたたいたことを第三者による犯罪として、通勤の内在する危険が現実化したとはいえないと判断したのでしょうか。

再審査請求の結果、労災保険給付を支給しないという処分が取り消されて良かったと思う事故です。

労働基準監督所長の処分で諦めず、
労働保険審査官の審査請求棄却にも諦めず、
労働保険審査会へ再審査を請求した結果です。

ケガをされた方が、諦めずに、請求し続けた結果です。

(再審査請求の結果でも認められなかった場合は、裁判に訴えることもできます。)

【編集後記】

この方のケガについての労働保険審査会による再審査の結果は、以下から詳しい内容を読むことができます。

厚生労働省のホームページの中の、

労働保険審査会>裁決事案一覧>通勤災害(平成29年裁決)

今日の1日1新

新宿西口ハルク1F 貢茶(Gong cha)

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小倉 健二 ( 特定社会保険労務士 )東京都 ※相談は新宿近辺にて

小倉健二(おぐらけんじ) 1965年生まれ54歳。連れ合い(妻)と子ども2人。 労働者の立場で労働問題に関わって30年。 2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格
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