失業手当の特定理由離職者。新型コロナウイルス影響での自己都合離職も対象

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今年2020年2月25日以降に、新型コロナウイルス感染症の影響で自己都合退職した方の中で条件に該当する方は「特定理由離職者」として、雇用保険求職者給付の給付制限期間なしで失業手当(基本手当)を受け取れます。

Q.失業手当の給付制限期間とは

失業手当【待機期間】だれでも7日間は待つ必要がある

失業手当を受け取るには、退職した理由にかかわらず誰でもハローワークへ求職の申込みをして7日間の待機期間が必要です。

雇用保険法21条(待機)

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

自己の責めに帰すべき重大理由による解雇・正当な理由ない自己都合退職は、待機期間の他に給付制限期間がある

ハローワークへ求職の申込みをして7日間の待機期間が終わりました。

しかし、ここですぐに失業している日について失業手当を受けられずに、さらに待たなければならない人がいます。

自己の責めに帰すべき重大理由による解雇・正当な理由なく自己都合退職した人です。

雇用保険法33条1項(離職理由による給付制限)

被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第21条の規定による期間の満了後1箇月以上3箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。

ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間については、この限りでない。

Q.給付制限期限なく失業手当を受け取れるのはどんな人?

特定受給資格者と特定理由離職者の2つに該当する人は、給付制限期間なく待機期間7日間だけで失業手当を受け取れます。

特定受給資格者とは倒産や解雇などの会社都合によって退職した人です。

Q.特定理由資格者とはどんな人?

倒産や解雇などの会社都合での退職ではない、自己都合退職でも給付制限期間なく待機期間7日間だけで失業手当を受け取れる人が特定理由離職者です。

Q.特定理由離職者とは?
1 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことにより離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)(上記「特定受給資格者の範囲」の2.の(8)又は(9)に該当する場合を除く。)(※補足1)
2 以下の正当な理由のある自己都合により離職した者(※補足2)
(1) 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者
(2) 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた者
(3) 父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者
(4) 配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者
(5) 次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
(a) 結婚に伴う住所の変更
(b) 育児に伴う保育所その他これに準ずる施設の利用又は親族等への保育の依頼
(c) 事業所の通勤困難な地への移転
(d) 自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
(e) 鉄道、軌道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更等
(f) 事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避
(g) 配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避
(6) その他、上記「特定受給資格者の範囲」の2.の(11)に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等

※補足1 労働契約において、契約更新条項が「契約の更新をする場合がある」とされている場合など、契約の更新について明示はあるが契約更新の確約まではない場合がこの基準に該当します。
※補足2 給付制限を行う場合の「正当な理由」に係る認定基準と同様に判断されます。

新型コロナウイルス感染症に伴う雇用保険求職者給付の特例

先ほど見ましたように、正当な理由のある自己都合離職として給付制限を適用されない、失業手当を受け取るのに給付制限期間がない人が特定理由離職者でした。

新型コロナウイルスの影響により自己都合離職された人は、特例として正当な理由のある自己都合離職として給付制限を適用しないこととされました。

今年2020年2月25日以降に、新型コロナウイルス感染症の影響で自己都合退職した方の中で条件に該当する方は「特定理由離職者」として、雇用保険求職者給付の給付制限期間なしで失業手当(基本手当)を受け取れることになっています。

新型コロナウイルス感染症に関連して失業手当の「特定理由離職者」となる場合
1 同居の家族が新型コロナウイルス感染症に感染したことなどにより看護または介護が必要となったことから自己都合離職した場合
2 本人の職場で感染者が発生したこと、または本人もしくは同居の家族が基礎 疾患を有すること、妊娠中であることもしくは高齢であることを理由に、感 染拡大防止や重症化防止の観点から自己都合離職した場合
3 新型コロナウイルス感染症の影響で子(小学校、義務教育学校*1、特別支援 学校*2、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園などに通学、通園するものに限る)の養育が必要となったことから自己都合離職した場合  *1 小学校課程のみ *2 高校まで

【編集後記】

今日は朝からよく晴れていい天気です!

昨日は夕方に夏の夕立のような強い雨(と雷)が降りました。
雨上がりの空を見るとうっすらと虹がかかっていました。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格