【労災】自分の不注意でも仕事による怪我は業務災害

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「仕事は怪我をしないように自分で注意しなければいけないもの。
不注意で怪我したのに労災保険を使うのは気が引ける。」
という労働者の方がいます。

仕事で怪我をしないように注意するのは大事ですが、不注意による怪我でも仕事が原因の怪我は業務災害、労災ですから労災申請して保険給付をうけましょう。

Kuchikomi630 TP V

仕事で怪我をしたのは自分が悪いと、労災申請をためらう労働者

「仕事で怪我するなんて自分のせいだから、労災保険を使うのは悪い気がする」

Q. 仕事は怪我しないように自分で気をつけなければいけないものだから、会社が悪くないのに労災保険を使うのは気が引ける・・・。

A. 会社が悪くないのに労働者が怪我した場合でも保険給付が受けられるように労災保険があります。自分の不注意による仕事での怪我でも労災保険を使うのは当たり前のことです。労災申請(労災保険給付の請求)をしましょう!

会社が悪くなくても・自分の不注意でも、仕事で怪我をしたら労災保険から給付をうけます。

わざと怪我したのでなければ労災です。

参考記事
「わざと労災」は労災保険を受けられるのか?

もしも、会社の落ち度により仕事で怪我したのであれば、労災保険の給付をうけるだけではありません、安全配慮義務違反などで会社に損害賠償を請求する問題です。

「怪我と弁当は自分持ち」ではない(会社が悪くなくても仕事で怪我したら労災保険)

「怪我と弁当は自分持ち」。仕事の怪我は労働者の自己責任という意味で使われる言葉です。建設現場などで使われていましたが、さすがに今はもう言われていないのではないかと思いますが。

仕事の怪我は労働者の自己責任ではありません。

労働者が仕事で怪我(労働者が業務上負傷)した場合は、会社(使用者)は療養補償する義務があります。
実際には労災保険から無料の医療である療養補償給付が支給されます。

そして、療養のために働くことができない日は平均賃金の6割以上の休業補償をする義務が会社(使用者)にあります。

1日目〜3日目までは会社が労働者に休業補償を支払い、4日目からは労災保険から平均賃金の8割の休業補償給付が労働者に支給されます。

仕事が原因で怪我したときに最初にする労災申請として、療養補償給付と休業補償給付の2つを知っておいていただきたいと思います。

参考記事
【労働災害】仕事でケガをしたときに知っておきたい2つの労災申請

業務災害での労災は、療養補償も休業補償も会社の法律上の義務です。

労働者に落ち度があっても、会社に落ち度がなくても免責されません。

業務災害による労災への補償は、会社の無過失責任です。

労働基準法75条(療養補償)1項

労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者はその費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない

労働基準法76条1項(休業補償)

労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない

労災(業務災害)であることに会社が悪い(故意・過失)必要はありません。

会社が悪くない(使用者の無過失)、本人の不注意によるケガでも、仕事が原因となる怪我や病気は労災(業務災害)です。

会社が悪くなくても仕事で怪我したら労災保険、会社が悪くて仕事で怪我したら労災保険+損害賠償

会社には、労働者が仕事で怪我をしないようにする安全配慮義務があります。

労働契約法5条(労働者の安全への配慮)

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

「危険だから怪我をしないように気をつけて作業しなさい」と労働者に注意するだけでは、会社が安全配慮義務をはたしたことにはなりません。

労働者に注意するだけではなく、危険な箇所には安全対策として防護装置を設置する、滑りやすい床は滑りにくいように変更したり滑り止め加工された作業靴を支給して履かせる、安全な作業方法を教育するなど、労働者が安全に働くことができるように必要な配慮をする義務が会社にあります

参考記事
【労働災害】転倒災害を防ぐには予防対策が不可欠

会社が悪くなくても仕事で怪我したら労災(業務災害)です。労災は労災申請して保険給付をうけます。

会社が悪くて仕事で怪我したら労災保険の給付をうけるだけではなく、安全配慮義務違反で損害賠償を請求します。

「不注意で怪我をした自分が悪かった」と思っても、仕事が原因の怪我は労災保険からの給付をうけます。

「会社が必要な安全対策をしていなかったから怪我をした」なら、労災保険給付の請求(労災申請)+損害賠償請求をします。

仕事が原因で怪我した労災申請(労災保険給付の請求)は、労働基準監督署にします。
安全配慮義務違反の損害賠償請求は、弁護士に依頼して民事裁判で行ないます。

労働事件での裁判は、「日本労働弁護団」に所属する弁護士に依頼すると良いでしょう。

日本労働弁護団は労働者のための弁護士が集まる団体です。

求める金額によっては、費用や期間を考えると裁判は望まないということもあるのでしょう。

労災保険給付をうけた上で安全配慮義務違反による上積み補償を会社に対して要求し話し合い、それでも解決が進まなければ、労働局に「あっせん」を求めることもできます。

参考記事
労働局のあっせんで求められる!労災による損害賠償請求(労働契約法5条安全配慮義務)

  • 会社が悪くなくても仕事で怪我したら労災保険
  • 会社が悪くて仕事で怪我したら労災保険+損害賠償

この2つのことを知っておいていただければと思います。

【編集後記】

今日(2022/06/29)は35℃、明日あさっては36℃の予報。まだ6月なのに酷暑です。
激しい運動はさけて朝5時すぎから1時間程度のウォーキング(速歩きの散歩)・・・。
ですがそれだけでは、梅雨明けしたのにもったいないので夜明けのポタリングを加えて夏を楽しんでいます!

障害年金・労災保険給付の申請、労働問題のご相談、暑い中を出かけずにご自宅からご相談いただけるzoomでお受けしております。

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多摩湖自転車歩行者道沿いの公園で咲く蓮(ハス)の花

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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