【失業手当】希望退職募集に応じたら自己都合退職の扱いか?

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希望退職募集がはじまり応募退職者には退職金が増額される。退職したい労働者の方にとってはうれしい話ではあります。
希望退職募集に応じて退職した場合は失業手当の扱いがどうなるのか?対象となる方にとっては気になるところです。

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「希望退職募集に応じると退職金が増えるのはうれしいなぁ…。」
「あっ!希望退職応募で退職すると、失業手当はどうなるんだろう?」
ふと思いついて心配になった労働者の方。

Q.希望退職募集へ応募して退職した場合、失業手当では自己都合退職の扱いか?

Q.希望退職募集へ応募して退職した場合は、失業手当の扱いは自己都合退職になるのか?

働いている会社で先月から2ヶ月限定で希望退職の募集がはじまりました。退職金が上積みになることもあり応募しようかと思っています。退職後にうけとる失業手当は自己都合退職だと不利になると聞いたことがあります。希望退職募集で退職した場合には失業手当をうける上で自己都合退職として扱われてしまうのでしょうか?

A.「希望退職募集」に応じた退職は、失業手当では会社都合退職の扱いになります。

名称にかかわらず希望退職募集に応じた退職は、失業手当では会社都合退職の扱いで「特定受給資格者」となります。

ただし、従来から恒常的に設けられている「早期退職者優遇制度」に応募して離職した場合はのぞかれますので、詳しくはハローワークに相談してみましょう。

希望退職に応募した退職は、失業手当では会社都合退職の扱いになる

いわゆる「失業手当」とは、雇用保険の失業等給付の「基本手当」のことです。

希望退職に応募した退職は、基本手当を受給するうえでは、会社都合退職として扱いで「特定受給資格者」となります。

特定受給資格者は、「倒産」や「解雇」(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇をのぞく)による離職した方が対象となります。

従来から恒常的に設けられている「早期退職者優遇制度」に応募して離職した場合をのぞき、希望退職募集を含めて事業主から直接もしくは間接に退職するよう勧奨をうけたことにより退職した方は、特定受給資格者になります。

202204特定受給資格者の範囲

「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」(2022年4月)厚生労働省

具体的には、事業主から退職するように勧奨をうけた場合のうち以下の2つが特定受給資格者に該当するとされています。

事業主から退職するよう勧奨を受けたことによる「特定受給資格者」となる場合
a 企業整備における人員整理等に伴う退職勧奨など退職勧奨が事業主 ( 又は人事担当者 ) より行われ離職した場合
b 希望退職募集への応募に伴い離職した場合
(この場合の 「希望退職募集」とは、希望退職募集の名称を問わず、人員整理を目的とし、措置が導入された時期が離職者の離職前1年以内であり、かつ、当該希望退職の募集期間が3か月以内である場合をいう。)

雇用保険に関する業務取扱要領(令和4年8月1日以降)厚生労働省
50001ー54000 雇用保険給付関係( 一般求職者に対する求職者給付 )
50305(5)「特定受給資格者の範囲」から作成

会社都合で退職した特定受給資格者は失業手当の受給で有利

会社都合で退職した特定受給資格者は、失業手当を受給するうえで有利です。

特定受給資格者は失業手当の所定給付日数が多い

就職困難者と認められる方をのぞいて、特定受給資格者以外の方の所定給付日数は上の表のとおり、算定基礎期間が10年未満の方の所定給付日数は90日です。

所定給付日数

特定受給資格者の方の所定給付日数は下の表の日数になりますので、30歳以上の方は算定基礎期間が1年以上であれば120日〜150日。

50305 2イの特定理由離職者 上記参照 及び法第23条第2項に定める特定受給資格者の所定給付日数

雇用保険に関する業務取扱要領(令和4年8月1日以降)厚生労働省

離職日の年齢・算定基礎期間に応じて異なりますが、特定受給資格者は所定給付日数が多くなりますので、失業手当をうける上で有利です。

特定受給資格者は失業手当の給付制限(2〜3ヶ月待ち)がない

失業手当を受給するためには、退職(離職)後最初にハローワークに求職の申込みをした日以後に失業している日が通算して7日にみたない間は支給されません。

この7日間を待期期間といいます。

待期期間が満了すると4週間に1度ハローワークで失業の認定をうけた日について、失業手当が支給されます。

自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇された場合3ヶ月、又は正当な理由がなく自己の都合により退職した場合は2ヶ月(2020年10月1日以降5年間に2回以上は3ヶ月)、待期期間7日間の満了の日の翌日からさらに待たなければ、失業手当が支給されません。

特定受給資格者は、失業手当の給付制限(2〜3ヶ月待ち)がありませんので、待期期間7日間満了後すぐに失業手当を受給することができます。

待期期間満了後すぐに受給できるといっても、実際には4週間に1度ハローワークで失業の認定をうけたあとに振り込まれます。

【編集後記】

AmazonプライムビデオでSFドラマ『アップロード ~デジタルなあの世へようこそ』シーズン2まで観終わりました。「あの世」の世界も金次第、貧富の差なくあの世で幸せにいられるように貧困者向けプログラムを開発していた主人公と、あの世で大儲けしている大資本とのせめぎあいがどう展開するのか?シーズン3が楽しみです。いつ配信されるのかな。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 ・30分無料zoomオンライン相談「相談・依頼の申込み」フォームから受付中。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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