「何が国民の権利か?」意外と知られていない

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1973年から5年ごとに同じ質問・同じ方法で時系列で調査されている「日本人の意識」調査(NHK放送文化研究所)。
調査結果をみると、国民の権利なのか義務なのか?意外と知られていないことがわかります。

「憲法によって、義務ではなく、国民の権利ときめられているのはどれだと思いますか。いくつでもあげてください。(複数回答)」

7つの項目について「憲法によって、義務ではなく、国民の権利ときめられているのはどれだと思いますか。いくつでもあげてください。(複数回答)」

国民の権利か義務か

NHK放送文化研究所第 10 回「日本人の意識」調査(2018) 結果の概要

Q. 権利なの?「税金を納める」「道路の右側を歩く」

「権利とは」でGoogle検索したところ一番上にGoogleの辞書ボックスが表示されました。

けんり
【権利】
ある物事をしてよい、またはしないでよいという資格。特に、(一定資格の者に対し)法が認めて保護する、特定の利益を主張・享受し得る力。
「―を行使する」

権利とは「ある物事をしてよい、またはしないでよいという資格。」のこと。

わかりやすい1つの説明の仕方だと思います。

「税金を納める」43.8%が権利と回答

「道路の右側を歩く」12.2%が権利と回答

税金は払ってもいいし払わなくてもよいわけではありません。

買物をして今日は消費税払いたくないから払わないということはできません。
納税は義務です。

道路交通法10条1項(通行区分)

歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯(次項及び次条において「歩道等」という。)と車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄つて通行しなければならない。ただし、道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端に寄つて通行することができる。

日本国憲法30条

国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

「労働組合をつくる」が国民の権利と回答したのは17.5%

「人間らしい暮らしをする」ことは、憲法によってきめられた国民の権利である。

74.2%の人が憲法で保障された人権であることを知っていたのは良かったと思います。

そして、25条で保障された生存権を実現するための生活保護の制度を知っているだけでなく、必要なときにためらわずに利用する意識がもっと高まる必要があります。

日本国憲法25条

(1項)すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

しかし、25条の生存権を実現するために大切な28条の団結権が17.5%しか知られていないことはとても残念なことです。

日本国憲法28条

勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

28条の左手のこぶしと27条の右手のこぶし、両手のこぶしで労働者の人権が保障されています。

28条だけでも、27条だけでも、労働者の人間らしい生活が実現されません。

小中高の義務教育で、憲法で保障された人権として労働法を学ぶ機会が必要だと考えています。

  • 2人あつまれば労働組合を作れること、労働組合でできること。
  • どんな職業でも加入できる、パートやアルバイトどんな働き方でも加入できる、個人加入の労働組合(ユニオン)の紹介。
  • 労働基準法、労働契約法などの各法の考え方の基本

義務教育以外でも、若い方をはじめ労働者の方が労働法について憲法上の人権を土台にして少しでも学ぶ機会が増えればと思います。

私(労働者のための社労士・小倉健二)も、セミナー(はじめての労働法入門)を開催しています。

料金表

「知は力なり」です。憲法で保障された人権としての労働者の権利を少しづつでも学んでいきましょう!

【編集後記】

新しいiPhoneの発表を楽しみに待っています。

家の中以外ではマスクをずっとつけていますので顔認証は使えずに不便です。

いちいちパスコードを入力しないで使える指認証になれば買うつもりです。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格