【障害年金の新規支給決定の状況】障害年金業務統計 (令和3年度決定分)

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日本年金機構の「障害年金業務統計 (令和3年度決定分)」が、2022年9月25日に公表されました。
障害年金業務統計 (令和3年度決定分)から、新たに障害年金の支給を請求した方に対する決定の状況を見てみましょう。

障害年金業務統計 令和3年度決定分

2021年度の障害年金の新規受給者は約12万人

障害年金を受給できる要件を満たしている方でも、黙って待っていても支給されることはありません。

本人(あるいは本人からの依頼をうけた社会保険労務士)が、請求手続きをすることではじめて障害年金を受給することができます。

2021年度に新たに障害年金を受給することが決定した方は約12万人(119,878人)います。

障害年金には障害基礎年金(国民年金)と障害厚生年金(厚生年金)の2つの年金があります。

障害厚生年金の1級または2級を受給する方は障害基礎年金も同時に受給します。(一部例外として障害厚生年金だけ受給する方もいます。)

障害厚生年金3級の受給者は障害基礎年金には3級がありませんので、障害厚生年金だけを受給します。

障害年金を請求するうえでの「初診日」に厚生年金に加入していなかった方は、障害基礎年金(国民年金)を受給します。

2021年度障害年金新規裁定数

2021年度に新たに障害年金を受給することが決定した方のなかで、障害基礎年金(国民年金)だけを受給することになった方が75,164人。障害基礎年金も合わせて受給する方も含めた障害厚生年金の受給決定者が44,714人でした。

2021年度の障害年金の新規支給決定率

障害年金の請求に対して、2021年度に決定されたなかで不支給の割合は7.8%、不支給決定をのぞいた新規支給決定の割合は92.2%でした。

障害厚生年金を合わせて受給しない、障害基礎年金(国民年金)だけの請求者に対する不支給の決定の割合は9.1%、支給決定の割合は90.9%。

障害基礎年金を合わせて支給する場合も含む障害厚生年金の請求者に対する不支給決定の割合は5.5%、支給決定の割合は94.5%でした。

障害年金を請求するときには、障害年金請求専用の診断書を提出します。

障害年金請求用の診断書は8種類あります。
精神障害・知的障害、呼吸器疾患、循環器疾患、腎疾患・肝疾患・糖尿病
、血液・造血器・その他、眼、聴覚等、肢体の8種類です。

障害年金の請求者に対して、2021年度に決定したなかで不支給の決定をのぞいた支給決定が占める割合は、診断書の種類別にみると以下の表のとおりです。

障害年金請求数に対する支給決定が占める割合
(支給決定率)<診断書種類別>
障害基礎年金 障害厚生年金
精神障害・知的障害 93.9% 95.5%
呼吸器疾患 48.4% 84.3%
循環器疾患 36.5% 93.6%
腎疾患・肝疾患・糖尿病 88.6% 94.8%
血液・造血器・その他 54.9% 82.8%
90.5% 97.2%
聴覚等 89.5% 96.3%
肢体 83.4% 96.2%

障害基礎年金(国民年金)は障害年金の障害等級1級と2級に当てはまらない(非該当の)方には不支給の決定が出ます。

障害厚生年金(厚生年金)は障害等級1級2級に加えて3級の障害等級に当てはまる(該当する)方に支給決定が出ます。3級に当てはまらない方には不支給決定が出ます。

障害厚生年金には3級の障害年金がありますので、1級と2級の障害等級だけに支給される障害基礎年金とくらべると障害厚生年金の支給決定の割合が高くなっています。

2021年度 障害年金 請求に対する支給決の割合

2021年度の障害年金の新規受給者の3人に1人が精神障害・知的障害による請求

2021年度にかぎりませんが、うつ病など精神障害・知的障害による障害年金の受給者の割合がもっとも多くなっています。

2021年度に新たに障害年金の支給が決定した方の3人に1人(66.1%)が精神障害・知的障害による請求です。

障害基礎年金(国民年金)だけを受給する方については約8割(79.4%)が精神障害・知的障害による請求でした。

先天性の知的障害については障害厚生年金の支給対象とならず障害基礎年金(国民年金)だけの支給対象となることで構成割合が高くなっています。

2021年度障害年金新規裁定診断書種類別割合

うつ病などをふくめた精神障害や知的障害によって障害年金を受給できることを知らない方が、まだまだたくさんいらっしゃいます。

支給要件をみたしている方であっても、請求しないかぎり障害年金は支給されることはありません。

請求すればだれでも支給されるものではありませんが、請求しなければ決して受給できない障害年金。

障害年金を受給するための準備はむずかしい場合があります。

障害の状態にあるご本人や手続きを支援する家族の方だけで準備を含めた請求手続きで困っているときには、障害年金請求に専門的に取り組んでいる社会保険労務士に依頼することができます。

障害年金の請求もれがないように、ぜひ請求していただきたいと思います。

【編集後記】

今日(2022/10/03)は我が家の下の子の誕生日です。
食事会は昨日したので、今日はケーキを食べてお祝いします。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格