会社や労働者の意志(希望)とは関係なく、厚生年金に強制加入します。
働き続けるかぎり何歳になっても厚生年金に加入し続けるのでしょうか。
何歳になるまで厚生年金に入るのかな?
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労働者の引退する年齢はどんどん遅くなる
定年年齢が引き上げ、定年退職後の再雇用など、サラリーマンなど労働者の方が働き続ける年齢は年々上昇しています。
65歳までの雇用確保が会社に義務づけられていますが、70歳までの就業機会の確保が努力義務となりました。
あなたが働いている会社も、定年制を廃止したり70歳まで定年を引き上げることになるかもしれません。
参考 高年齢者雇用安定法改正の概要〜70歳までの就業機会の確保のために 事業主が講ずべき措置(努力義務)等について〜令和3年4月1日施行 厚生労働省
働き続ける年齢がどんどん上がっていくことが当たり前ともなりそうな感じの日本社会です。
サラリーマンが強制的に加入する公的年金保険制度は厚生年金。働き続けている限り何歳になっても厚生年金に加入し続けるのでしょうか?
厚生年金に加入するのは70歳になるまで
会社や労働者の意志とは関係なく、労働者は厚生年金に強制的に加入します。
国民年金は20歳から加入しますが、厚生年金は20歳未満でも働き始めた日から加入します。
厚生年金に加入する年齢に下限はありませんが、上限の年齢はあります。
厚生年金に加入する上限年齢は69歳。
70歳になると厚生年金には加入できず被保険者になりません。
厚生年金保険法9条(被保険者)
適用事業所に使用される70歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。
会社で働いていても70歳になると厚生年金の被保険者ではなくなります。
老齢年金の受給資格期間が足りず年金をうけとれない方は、会社が同意すれば高齢任意加入被保険者となる例外はあります。
厚生年金に加入していても65歳になったら国民年金の被保険者でなくなることが多い
国民年金は20歳から加入しますが、厚生年金は20歳未満でも働き始めた日から加入します。
厚生年金に加入すると国民年金にも同時に加入しますので、20歳未満でも厚生年金の被保険者は国民年金の被保険者にもなります。
厚生年金と国民年金の両方に加入するといっても、厚生年金の保険料を払うだけで国民年金の保険料を別に払うことはありません。
厚生年金の被保険者は同時に国民年金の被保険者となります。
しかし、65歳以上の厚生年金の被保険者は、老齢年金の受給資格期間10年を満たさない方だけが国民年金の被保険者となります。
老齢年金の受給資格期間を満たす65歳以上の厚生年金の被保険者は、国民年金の被保険者とはならないのです。
保険料納付済の期間以外にも、(法定・申請)保険料免除、学生の納付特例、保険料納付猶予、海外在住の期間などの合算対象(カラ期間)などの期間も受給資格期間に含まれます。
労働者は70歳になるまで厚生年金に加入しますが、厚生年金に加入している労働者が最大70歳になるまで国民年金にも加入していることになるかというと、実はそうはならないのが通常です。
国民年金法26条(支給要件)
老齢基礎年金は、保険料納付済期間又は保険料免除期間(第90条の3第1項の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を有する者が65歳に達したときに、その者に支給する。
ただし、その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年に満たないときは、この限りでない。
国民年金法7条1項(被保険者の資格)
次の各号のいずれかに該当する者は、国民年金の被保険者とする。
2号 厚生年金保険の被保険者(以下「第2号被保険者」という。)
国民年金法附則3条(被保険者の資格の特例)
第7条第1項第2号の規定の適用については、当分の間、同号中「の被保険者」とあるのは、「の被保険者(65歳以上の者にあつては、厚生年金保険法附則第4条の3第1項に規定する政令で定める給付の受給権を有しない被保険者に限る。)」とする。
厚生年金保険法附則4条の3(1項)(高齢任意加入被保険者)
適用事業所に使用される70歳以上の者であつて、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定める給付の受給権を有しないもの(第12条各号に該当する者を除く。)は、第9条の規定にかかわらず、実施機関に申し出て、被保険者となることができる。
厚生年金保険法附則4条の3(1項)にある政令で定める給付は、厚生年金法施行令第5条で定められている。
【編集後記】
おとといの真夏日にひきつづき昨日(2022/05/30)も暑かったのが、今日は気温がさがり肌寒く感じます。
『手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択』(ミニマリストしぶ著)を読んでいて、もうすぐ読み終わります。
私自身はミニマリストとはとても言えませんが、高坂勝さんはじめとしてミニマリズムの考え方・生き方に共感するところは大きいです。
ミニマリズムの考えを知るよりずっと前から、「立って半畳寝て一畳」という言葉がなぜかとても好きでしたし、トランク1つで全国を旅しながら働く「寅さん」(車寅次郎)の身軽さにあこがれていました。
私自身カバン1つでどこでも労働者の相談をうけて仕事をするスタイルです。
(コロナの影響で対面からオンライン対面へと移行していますが。)
この本を読んで、今朝200冊くらい本を捨てました。そのほかに捨てる候補を51冊選びました。
この51冊は、毎日1冊づつ30分程度でサッと読んで捨てていこうと。
必要なもの以外はなるべく物をもたない主義ですが、読んだときの気持ちが詰まった本はなかなか捨てるのがつらいです。
アーシュラ・ル・グインのゲド戦記全巻、ミヒャエル・エンデのモモ、はてしない物語、ローラ・インガルス・ワイルダーの大草原の小さな家シリーズ、こちらも「読み返したいときはKindle版を買おう!」と思い切って捨てました。
そうこうしている間にもどんどんAmazonから本が届いてくる予定ではあるのですが。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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