第三次産業は労働災害と関係ないと思っていませんか?
産業別で一番労働災害は多いのは第三次産業です。
第三次産業のなかでも身近なスーパーなどの小売業の都内の労働災害の状況を見てみましょう。
労働災害は第三次産業が一番多い
労働災害というと第一次産業・第二次産業が多くて、第三次産業は少ないというイメージがないでしょうか?
第一次産業・第二次産業は危険な仕事で、第三次産業は安全で労働災害とは関係がない、そう思っているかもしれません。
東京労働局(厚生労働省)の発表している「令和3年死傷災害発生状況(1月〜10月)」を見るとわかるように、休業4日以上の死傷災害で一番多いのは第三次産業です。
令和3年死傷災害発生状況(1月〜10月) 東京労働局
小売業の労働災害の約半数が「転倒」と「腰痛等」
第三次産業のなかで身近な業種である、スーパーなどの「小売業」の労働災害の発生状況を見てみましょう。(東京労働局)
小売業における労働災害発生状況(令和2年:東京) 東京労働局
2020年の小売業の労働災害は1383件発生しています。
小売業の労働災害の約半数が「転倒」と「腰痛等」です。
「転んでケガしたのは自分の不注意だから労働災害ではない」
「腰痛は労働災害に認められない」
小売業で働いている人は職場で、転倒や腰痛は労働災害にはならないと言われたことがあるという方もいるかもしれません。
それは間違った情報・ウソです。
参考記事
「転んでケガしたのは自分の不注意だから労災保険使えない」は本当か?
転倒(転んだ)によるケガ、腰痛は、小売業でもっとも多い労働災害です。
転倒と腰痛をなくすだけで、労働災害を半分に減らすことができる。
転倒・腰痛は労災申請して、労災保険から給付を受けられる労働災害です。
東京労働局(厚生労働省)は、転倒災害に特化した3つの解消に取り組んでいます。
- 段差解消
- 乱雑解消
- 濡れ解消
小売業における労働災害発生状況(令和2年:東京) 東京労働局
あなたが働いている職場の転倒災害をなくすために、まずは3つの解消に取り組むことを会社にもとめてみてはいかがでしょう。
STOP!転倒災害 厚生労働省
「だから気をつけろと言っただろ!」
精神論で労働災害はなくせません。
労働災害をなくすことは事業主(会社)の責任です。
具体的な対策を立てて実行する責任があります。
労働災害をなくすためには、労災申請をすることが重要
事実を把握しなければ、労働災害はなくせない。
労働災害を認識することで、再発防止の対策の必要性を認識できます。
労働災害を隠していては、労働災害をなくすことはできません。「労災かくし」は犯罪です。
参考記事
2021/08/31公表【労災かくしは犯罪】検察庁への送検事例(厚生労働省)
もっとも多い労働災害である転倒事故(転んでケガした)災害をはじめとして、仕事でケガをした・仕事で病気になった、労災申請して労災保険からの給付を受けましょう。
参考記事
【労災保険】「ついうっかりして」ケガも労災。労災申請して給付を受ける
【編集後記】
朝起きて一番最初の楽しみはカフェラテをいれて飲むことです。
コーヒーそのものは苦手ですが、泡立てた牛乳を入れると砂糖をいれなくても甘く感じて美味しく飲めます。
これから少しづつ寒くなってきますので、特にカフェラテが美味しい季節になります。
朝起きてすぐの楽しみは何ですか?1日のはじまりを楽しくスタートしたいですね。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
最新記事 by 小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都) (全て見る)
- 【産休・育休】厚生年金・健康保険の保険料免除について知ろう - 2023年3月29日
- 2023年4月1日【出産育児一時金】8万円増額1児50万円支給 - 2023年3月16日
- 【60歳で老齢年金繰上げ受給を検討中】繰上受給したあとで障害年金請求できるか? - 2023年3月14日