障害年金の支給をもとめて請求に必要な書類を提出したが、不支給の決定がでてしまった。
とても残念なことですが、不支給の決定が出たらもうダメというわけではありません。
不支給の決定が出ても、障害年金を受けとるためにできることがあります。
Contents
障害年金の不支給決定
障害年金を請求すると、支給するか不支給とするか審査されます。
障害年金支給の3要件を満たすと、支給決定が出されます。
3要件の1つでも満たしていない請求には、不支給決定が出ます。
障害年金受給3要件についての参考記事はこちら
障害年金が支給される場合には支給決定通知書が、支給されない場合には「不支給決定通知書」が届きます。
障害年金不支給決定が出たら、すぐにすること
障害年金の支給を求めて請求書類を提出したら不支給決定通知書が届いた。
もしも、不支給の決定に不服申し立てを行なうなら、すぐに行なうべきことがあります。
障害年金の不支給決定への不服申立ては、不支給の決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内で行わなければならないことになっているからです。
不支給決定通知書の不支給「決定の理由」を確認する
障害年金の支給をもとめて請求書類を年金事務所に提出。
請求して何ヶ月かして通した書類が不支給決定通知書が届いた。
不支給となった理由はなにか、まずは不支給決定通知書の不支給理由を確認しましょう。
障害年金の請求に対して不支給の決定がされた場合には、「国民年金・厚生年金保険の支給しない理由のお知らせ(不支給決定通知書)」が届きます。
この不支給決定通知書には、「決定の理由」が添付されています。
決定の理由には、「同封の『国民年金・厚生年金保険の支給しない理由のお知らせ〈不支給決定通知書 ) 』により通知した決定の理由については、以下のとおりです。」として、不支給決定をした理由が記載されていますので確認しましょう。
障害の状態が、障害年金の等級に該当しないことが理由であれば、認定の方法、該当する病気やケガによる障害認定基準が記載されています。
そして、判断の根拠となった事実関係等として障害の状態・日常生活状況等に関して診断書などの内容を事実として引用のうえで、障害認定基準に当てはめた結論としての判断が記載されています。
なぜ障害年金を支給しないという決定をしたのか?
規範(判断基準)をしめして当てはめた事実(として認定したこと)がなにか、不支給決定通知書に添付された「決定の理由」から知ることができます。
まずは「決定の理由」に記載されている内容を確認しましょう。
しかし、不服申立てをするにはこれだけでは十分であるとはかぎりません。
情報開示請求をして不支給理由の詳細を調べる
不支給の決定をするにあたり何をどのように判断したのか、審査の内容をしるために個人情報の開示請求をしましょう。
個人情報の開示請求をするには「保有個人情報開示請求書」を提出します。
「開示を請求する保有個人情報(具体的に記載してください。)」には障害年金裁定請求の審査に関するすべての書類、などすべての書類を開示するように記載して請求します。
保有個人情報開示請求書(標準様式第1号) 日本年金機構
請求して開示された個人情報をもとに、障害年金受給3要件(障害年金を受けとるための法律上の3つの条件)を満たしていることを主張できるか検討します。
不支給決定内容の検討は、障害年金の請求・不服申立てを専門に行なっている社会保険労務士に依頼することもできます。
障害年金不支給決定に納得できない場合にできる2つの対応
障害年金の不支給決定が出た。不支給決定に納得できなければ、支給をもとめるためにできる対応が2つあります。
不服を申し立てる。あらためて障害年金を請求し直す。この2つの方法のどちらかまたは両方を行なうことができます。
不服申立て(審査請求)
障害年金の不支給の決定に不服があるときは、不服申立てをすることができます。
不服申立ては、社会保険審査官に審査請求をおこないます。
決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に全国8つの地方厚生局内に設置された社会保険審査官に審査請求をします。
社会保険審査官に審査請求は、文書または口頭でおこないます。
審査請求への社会保険審査官の決定に対してさらに不服があるときは、再審査請求をおこなうことができます。
決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月以内に再審査請求をおこなうことができます。
再審査請求は、社会保険審査会(厚生労働省内)に文書でおこないます。
再請求
診断書に記載された日常生活での困難・働くうえでの支障が、障害の状態をただしく反映されていなかった。
障害の状態がただしく診断書に反映されていなかったために障害年金の障害等級に該当する状態だと認められなかった。
たとえばこんな理由で、障害年金の不支給決定がだされたのであれば、自分の日常生活や仕事をするうえでの困難を主治医にただしく伝えて診断書を書き直してもらい、障害年金の請求をあらためてし直すことができます。
他にも、初診日を証明する資料が十分ではなかったが、不支給決定が出たあとに見つかった。こんな場合でも再請求します。
不服申立てと再請求は、二者択一するものではありません。
再請求と、不服申立て、両方とも同時に行なうこともできます。
【編集後記】
昨日(2022/03/07)ははじめて狭山湖をポタリング。
多摩湖周回コース沿いにあるお寺にお参りして周りを歩いていたら
「←300m多摩湖 狭山湖300m→」の看板。
自転車に乗って右の道を進むと道路の向こうに自転車歩行者道。
自転車歩行者道を少し進むと、狭山湖の取水塔が見えてきました。
多摩湖と狭山湖が近いことは知っていましたが、狭山湖に行ったのは初めてです。
取水塔は多摩湖とも似ていますが、屋根が三角なのが狭山湖の特徴です。
こちらの丸い屋根が多摩湖の取水塔です。
昨日は風が少し強かったので、富士山と奥多摩の山脈がきれいに見えました。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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