【有期労働契約】1年超える契約:1年過ぎたら自由に辞職できる

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労働者のあなたが会社を辞職するのは自由です。職業選択の自由・奴隷的拘束の禁止が憲法で保障されています。
正社員など期間の定めがない労働契約であれば辞職を会社に通告して2週間経過すると労働契約が終了します。
しかし、期間の定めがある労働契約の場合は少し異なりますので注意しましょう。
そして、期間の定めがある労働契約でも1年を超える契約の場合は、契約してから1年すぎるといつでも辞職できることも知っておいていただければと思います。

辞職は自由にできる

あなたが会社で働いているということは労働契約を締結しているということです。

契約書を交わしていなくても口頭でも労働契約は成立します。

あなたが労働力を提供し会社が給料を払うことを合意することで労働契約が成立します。

労働契約についてはこちらの記事で紹介しています。
労働契約の成立と労働条件の明示義務

成立した労働契約の終了には3つのパターンがあります。

まず1つめは会社とあなたが合意して労働契約終了させるパターンです。

会社あるいはあなたから労働契約を終了(解約)したいと申出て、相手方が承諾した場合です。

契約は双方の自由意思による合意があれば成立しますので、解約(解除の契約)も解約も自由です。

残りの2つは会社とあなたの間に合意がなく、どちらかが一方的の労働契約を終了させるパターンです。

会社が一方的に労働契約を終了させることを解雇といいます。

あなた(労働者)が一歩的に労働契約を終了させることを辞職といいます。

労働者と使用者の各当事者のうち、使用者からの契約の解除(解雇)については、民法以外の法律によって制限されています。

解雇については他の記事で紹介しています。たとえば以下の記事

【解雇】能力ないからクビ!「内向型」のあなたはどうする?

コロナウィルス【リストラ】が不安な方。整理解雇は簡単に許されないことを知りましょう

【不当解雇】内向型タイプで会社に直接抗議ツライなら労働局「あっせん」利用しましょう

あなたには職業選択の自由(憲法22条)がありますし、奴隷的拘束は禁止されています(憲法18条)ので、労働契約や就業規則で辞職を禁止していても認められません。辞職を禁止することはできません。

辞職は自由にできます。

しかし、民法によって規定がありますので、反すると解雇も辞職も損害賠償請求されるケースがあります。

正社員など契約期間の定めがない労働契約の場合は、辞職することを会社に通告して2週間を経過すると労働契約が終了します。

機関の定めのない労働契約の場合は、あなたが辞職する2週間より前に会社に通告すれば問題なく労働契約を終了することができます。

民法627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

問題は期間の定めのある労働契約の場合です。

有期労働契約はやむを得ない事情・理由があれば直ちに辞職できる

有期労働契約(期間の定めのある労働契約)

労働基準法14条1項(契約期間等)

労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(次の各号のいずれかに該当する労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならない。

1号 専門的な知識、技術又は経験(以下この号及び第41条の2第1項第1号において「専門的知識等」という。)であつて高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)との間に締結される労働契約

2号 満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約(前号に掲げる労働契約を除く。)

パート、アルバイト、契約社員など契約期間がある労働契約の場合は、念のため注意が必要です。

期間の定めのある労働契約の場合はやむを得ない事情や理由があるときは、ただちに労働契約を終了できることが民法で定められています。

しかし、やむを得ない事情や理由が故意・過失によってあなた(労働者)が生じさせた場合は、会社に損害賠償請求される可能性があります。

民法628条(やむを得ない事由による雇用の解除)

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

期間の定めがあろうかなかろうと、辞職すること自体は自由です。

ですが、あなたが契約期間を決めて会社で働いている場合には、やむを得ない事情や理由があって辞職することと、あなたの自分勝手な理由や事情によるものではないことを会社に伝えるようにした方がトラブルを避けられます。

念のため注意しておきましょう。

パート、アルバイトなどの期間の定めのある有期労働契約は1年を超える契約なら1年過ぎたら自由に辞職できる

期間の定めのある労働契約は、やむを得ない事情や理由があるときはただちに労働契約を終了できます。

しかし、やむを得ない事情や理由が故意・過失によってあなた(労働者)が生じさせた場合は、損害賠償請求する権利が会社にあります。

パートやアルバイトで働く労働者が会社を辞めることで発生する損害賠償が認められるケースが少ないでしょうし、仮に認められたとしても損害額自体が小さいでしょうし、損害額の全額を賠償させられるものでもないでしょう。

一応、民法で損害賠償責任が定められていることは知っておいていいと思います。

民法628条(やむを得ない事由による雇用の解除)
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

1年超える期間の労働契約は1年過ぎたら自由に辞職できる。やむを得ない事情・理由はいらなくなる

1年以内の労働契約であれば、1年以内にある労働契約の期間満了であなたが契約更新しないで労働契約を終了できるのは当然です。

期間満了で会社が契約更新しない雇止めの場合は法律で制約がありますが。

しかし、期間の定めがある労働契約であっても、1年を超える契約の場合は1年をすぎれば自由に辞職できるようになります。

辞職するためにやむを得ない事情・理由はいらなくなりますし、辞職する事情や理由があなたの故意・過失である場合の損害賠償義務もなくなります。

(ただし、高度の専門業務で働く専門的知識を有する労働者や60歳以上の労働者の場合には適用されません。)

労働基準法附則137条

期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く。)、労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる

【編集後記】

期間の定めのない労働契約は申出て2週間でいつでも辞職できます。
こちらの記事退職は意思表示だけでOK。退職代行はいらない。で紹介しています。

有期労働契約の場合は期間の定めがあるので途中で辞職できない、契約期間内に辞職するなら損害賠償請求すると言われて仕事を辞められずに困っているという相談がくることがあります。

民法に損害賠償義務の規定があること自体は知っておいて良いと思い記事を書きました。

しかし、損害賠償しろと言われてお金の支払いを求められても、払わないようにしましょう。

パートやアルバイトで契約期間内で辞めたことで実際に損害賠償請求をされることはまずありませんし、損害賠償請求されたとしても認められることは少ないでしょう。

また、もしも損害賠償分を差し引いて給料を払うとか給料を払わない場合は労働基準法違反ですから、労働基準監督署に申告して是正を求めましょう。

労働基準法24条1項本文(ただし書き以降略)(賃金の支払)

賃金は、通貨で、直接労働者にその全額を支払わなければならない

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格