目の障害による障害年金の認定基準が今年(2022年1月1日)から改正されました。
これまで障害年金を受けとれなかった方で障害年金を受けとれる対象となる方が増えます。
そして、現在障害年金を受けとっている方のなかに、年金額を増やせる額改定請求ができる方もいます。
2021年1月1日<眼>の障害の認定基準改正 額改定請求すぐにできる
2021年1月1日に障害年金の眼の障害の認定基準が改正されました。
視力障害の程度(障害等級)は、これまでは「両眼の視力の和」で判断されていましたが、変更後は「良い方の眼の視力」で判断されることになりました。
視野障害の認定は、これまではゴールドマン型視野計に基づく認定基準で判断されていましたが、自動視野計に基づく認定基準が加わりました。
求心性視野狭窄や輪状暗点といった症状による限定されていましたが、測定数値により障害等級を認定するよう変更されました。この変更によって、多様な症状に対応した障害認定が可能になりました。
これまで障害年金を受けとれれていなかった方でも、障害年金の目の2021年1月1日障害認定基準改正によって、新たに障害年金を受けとれるようになる場合があります。
こちらの記事で紹介しました。
2022年1月から【眼の障害年金】認定基準が改正
これまでも障害年金を受けとっているという方も、目の障害の認定基準の改正が関わってきます。
眼の障害で2級または3級の障害年金を受給されている方。
改正後の認定基準を適用すると障害等級が上がる方は、障害年金の額を増やす「額改定請求」ができます。
「眼の障害」の認定基準の改正に伴う額改定請求は、2022年1月からいつでもできます。
障害年金【額改定請求】とは?
障害の程度が重くなったときは、障害年金の額を増やすように請求することができます。
障害年金の額改定請求です。
- 年金を受け取る権利が発生した日
- 障害年金の更新の手続きで診断書を提出して障害の状態の程度を審査を受けた日
どちらか遅い日から1年経過した日に額改定請求ができます。
しかし、1年経過を待たずに額改定請求をできる例外もあります。
「障害の程度が増進したことが明らかである場合」として厚生労働省令で定められている場合です。
以下の場合には、1年経過を待たずに障害年金額の改定の請求ができます。
<目の障害>
視力障害 |
---|
視力の良い方の眼の視力が0.03以下のもの |
視力の良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの |
視力の良い方の眼の視力が0.07以下のもの |
視力の良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの |
視野障害(自動視野計に基づく認定) |
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両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの |
両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの |
視野障害(ゴールドマン型視野計に基づく認定) |
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両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下 かつI/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの |
両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下 かつI/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの |
<聴覚の障害>
両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの |
両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの |
<言語機能の障害>
喉頭を全て摘出したもの |
<肢体の障害>
両上肢の全ての指を欠くもの |
両下肢を足関節以上で欠くもの |
両上肢の親指及び人指し指又は中指を欠くもの |
1上肢の全ての指を欠くもの |
両下肢の全ての指を欠くもの |
1下肢を足関節以上で欠くもの |
4肢又は手指若しくは足指が完全麻痺したもの (脳血管障害又は脊髄の器質的な障害によるものについては、当該状態が6月を超えて継続している場合に限る。)※完全麻痺の範囲が広がった場合も含む |
<内部障害>
心臓を移植したもの又は人工心臓(補助人工心臓を含む。)を装着したもの |
心臓再同期医療機器(心不全を治療するための医療機器をいう。)を装着したもの |
人工透析を行うもの(3月を超えて継続して行つている場合に限る。) |
<その他の障害>
6月を超えて継続して人工肛門を使用し、かつ、人工膀胱(ストーマの処置を行わないものに限る。)を使用しているもの |
人工肛門を使用し、かつ、尿路の変更処置を行つたもの(人工肛門を使用した状態及び尿路の変更を行つた状態が6月を超えて継続している場合に限る。) |
人工肛門を使用し、かつ、排尿の機能に障害を残す状態(留置カテーテルの使用又は自己導尿(カテーテルを用いて自ら排尿することをいう。)を常に必要とする状態をいう。)にあるもの(人工肛門を使用した状態及び排尿の機能に障害を残す状態が6月を超えて継続している場合に限る。) |
脳死状態(脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止号するに至つた状態をいう。以下同じ。)又は遷延性植物状態(意識障害により昏睡した状態にあることをいい、当該状態が3月を超えて継続している場合に限る。以下同じ。)となつたもの |
人工呼吸器を装着したもの(1月を超えて常時装着している場合に限る。) |
国民年金法34条(障害の程度が変わつた場合の年金額の改定)
2項 障害基礎年金の受給権者は、厚生労働大臣に対し、障害の
程度が増進したことによる障害基礎年金の額の改定を請求することができる。3項 前項の請求は、障害基礎年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害基礎年金の受給権を取得した日又は第1項の規定による厚生労働大臣の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。
厚生年金保険法52条
2項 障害厚生年金の受給権者は、実施機関に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができる。
3項 前項の請求は、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害厚生年金の受給権を取得した日又は第1項の規定による実施機関の診査を受けた日から起算して1年を経過した日後でなければ行うことができない。
障害年金の額改定請求をするには「障害給付 額改定請求書」を提出します。
額改定請求書を提出するときは、障害の状態が重くなったことを証明するために、
提出する日前3月以内の障害の状態が記入された障害年金用の診断書を添付します。
障害給付 額改定請求書(記入例) 日本年金機構
障害年金【額改定請求】請求した翌月分から増額
額改定請求の結果、障害等級が上がり、障害年金額が増える改定がされる場合、請求した月の翌月分から障害年金額が増えます。
額改定請求は、請求が遅れると、受けとれる年金が減ってしまいます。
3級の障害厚生年金を受けている方で、1級・2級に該当したことがない方は、65歳を過ぎると額改定請求は行えません。
障害年金の額改定。障害の状態が重くなった場合は、請求できるタイミングで早く請求を行ないましょう。
国民年金法34条
6項 第1項の規定により障害基礎年金の額が改定されたときは、改定後の額による障害基礎年金の支給は、改定が行われた日の属する月の翌月から始めるものとする。
厚生年金保険法52条
6項 第1項の規定により障害厚生年金の額が改定されたときは、改定後の額による障害厚生年金の支給は、改定が行われた月の翌月から始めるものとする。
【編集後記】
今日は連れ合い(お嫁さん)と近所のお寺にお参り。そのあとはお年玉としてプレゼントする赤ちゃんの服を買いました。
私の2人の子どもがちっちゃな赤ちゃんの服を着ていたのがつい最近のように感じますが今やすっかり大人です。
子育て中の方は、子どもと過ごす時間を大事にしていただきたいと思います。
小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)
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