【障害年金】年金保険料を払っていないのに障害年金を受けとれることもある

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障害年金を受けとるためには、保険料納付要件を満たしていることが必要です。
しかし、保険料を払っていないのに障害年金を受けとることができる場合もあります。

初診日の前日までに保険料免除・猶予の手続きがしてあり、保険料納付要件を満たしている

障害年金を受けとるためには、障害の原因となった病気やケガの初診日の前日に保険料納付要件を満たしていることが必要です。

障害年金を受けとるための保険料納付要件とは、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、年金(国民年金・厚生年金・共済組合)の保険料納付済期間が3分の2以上あることです。

初診日が2026年4月1日前であれば、初診日において65歳未満の方は、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの直近1年間に年金の保険料の未納がなければよいという特例があります。

障害年金の保険用納付要件をみるときには、保険料の免除・猶予の手続きをした期間は年金の保険料を払ってはいませんが未納(未払)の期間とはなりません。

障害年金の保険料の納付要件をみるときには、保険料の免除・猶予の手続きをした期間は保険料を払っている期間となります。

ただし、保険料の免除・猶予の手続きは(法定免除を除いて)初診日の前日までにしてあることが必要です。

障害の原因となる病気やケガで医師の診断を受けた日やそれ以降に保険料の免除・猶予の手続きをした場合には(法定免除を除いて)、手続きをした期間はその病気やケガによる障害年金の保険料の計算としては未納(未払)の期間として計算されます。

法定免除

  • 障害基礎(厚生・共済)年金の1級・2級を受けている方
  • 生活保護法による生活扶助を受けている日本国籍の方
  • 国立および国立以外のハンセン病療養所などで療養している方

国民年金法89条(1項)

被保険者(前条及び第90条の2第1項から第3項までの規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その該当するに至つた日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない

1号 障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であつて政令で定めるものの受給権者(最後に同法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態(以下この号において「障害状態」という。)に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく3年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。

2号 生活保護法(昭和25年法律第144号)による生活扶助その他の援助であつて厚生労働省令で定めるものを受けるとき。

3号 前2号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。

初診日が20歳未満または60歳以上65歳未満で国内に居住している

国民年金の強制加入者は20歳以上60歳未満の方です。

20歳前の方はまだ国民年金に加入できません。年金制度に加入していない期間は保険料を払う義務のない期間です。

20歳前に初診日がある場合は、保険料納付要件は問われません。

年金の保険料を払っていなくても障害年金を受けとることができます。

60歳以上の方はもう国民年金の強制加入者ではありません。

60歳からはもう保険料を払っていませんが老齢年金を受けとれる65歳までの間に初診日がある場合には、保険料納付要件を満たしていれば障害年金を受けとることができます。

国民年金法30条1項2号

被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。

国民年金法30条の4(1項)

疾病にかかり、又は負傷し、その初診日において20歳未満であつた者が、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときは、その者に障害基礎年金を支給する。

初診日の前々月に被保険者ではない

障害年金で保険料納付要件が問われるのは、「当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があ」るときです。

初診日(その障害の原因となる病気やケガではじめて医師・歯科医師による診療を受けた日)の前日において、初診日の月の前々月までに年金の被保険者期間がない場合には、保険料納付要件は問われません。

たとえば、海外に居住していた方が日本に居住してすぐに病気になったりケガをして医師による診療を受けた場合、国民年金の保険料を払っていなくても、障害認定日に障害等級に該当する障害の状態であれば障害年金を受けとることができます。

国民年金法30条

障害基礎年金は、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において次の各号のいずれかに該当した者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治つた場合においては、その治つた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。)とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに、その者に支給する。

ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。

厚生年金保険法47条(1項)

障害厚生年金は、疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)において被保険者であつた者が、当該初診日から起算して1年6月を経過した日(その期間内にその傷病が治つた日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至つた日を含む。以下同じ。)があるときは、その日とし、以下「障害認定日」という。)において、その傷病により次項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に、その障害の程度に応じて、その者に支給する。

ただし、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の三分の二に満たないときは、この限りでない。

【編集後記】

公的年金も保険制度である以上は保険事故が起きる前に条件を満たした保険料を払っていることが必要です。
しかし、民間保険(私的保険)とちがい公的年金は 老齢、障害又は死亡によつて国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によつて防止し、もつて健全な国民生活の維持及び向上に寄与することを目的とする(国民年金法1条)制度です。
保険料を払っていなくても障害年金を受けとることができる場合もあることを知っておいていただければ。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格