戦争の問題を残虐な描写なしに知りたい。映画『母と暮らせば』『 父と暮らせば』、書籍『夜と霧』【新版】

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私は激しい描写が苦手です。SF映画でさえ場面によっては目を伏せてしまいます。
社会的な映画・ドラマでは生々しい場面が出てくるものもありますが、なかなか見ることができません。 現実から目を背けているようで、後ろめたい気持ちですが。

あなたももしそういう方でしたら、問題の本質を描いてはいても、残虐で激しい描写はないものを探してみてはいかがでしょうか。

8月だけ戦争・平和の問題がテレビで放映されてそれを見るということに違和感があるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

映画や本で、8月以外にも少しずつ見たり読んだりすることができます。

この週末に、DVDで映画を観たり、本を読んでみてはいかがでしょうか?

映画『母と暮せば』

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【ストーリー】
1948年8月9日。
長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。
「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこれられなかったんだよ」。
その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。
「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた―。

吉永小百合さんが好きです。テレビで見たインタビューで“女優として”という質問に対して“俳優である私は”と答えていたところにも、演じることに対する真剣さを感じました。
女・男の前に演じる仕事をする者として答えたのだと思いました。

どのくらい前だったか思い出せませんが、吉永小百合さんを初めてみたのはドラマ『夢千代日記』だったかと思います。

DVDで観た映画『男はつらいよ』(寅さん)のマドンナ役も素敵でした。

映画『母べえ』を観て、『母と暮せば』を観ました。どちらもレンタルでDVDを借りて観ました。

映画『父と暮せば』

『母と暮らせば』 の元になっているのが、井上ひさし原作の 『父と暮らせば』 ですので、こちらも観てみました。

こちらも広島の原爆被害の話の映画です。

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Amazonレビュー
名匠・黒木和雄監督が『TOMORROW 明日』『美しい夏・キリシマ』に続く戦争レクイエム三部作完結編として、井上ひさしの同名戯曲を映画化したヒューマンドラマの秀作。取り組んだ原爆投下から3年後の広島、愛する者達を一瞬の閃光で失い、自分が生き残っていることに負い目を感じ続けている美津江(宮沢りえ)の前に、原爆資料を収集している木下(浅野忠信)が現れた。彼に心惹かれながらも恋心を押さえつけようとする美津江を父(原田芳雄)は常に励まし続けるのだが……。
出演者は3人(戯曲では父娘のみだった)というシンプルな構成の下、広島弁での父娘の心和む会話を連鎖させながら、ドラマはほのぼのと、しかしあくまでも原爆の悲劇を機軸にした切なく悲しいものとして進められていき、その中からやがて未来の希望がかもし出されていく。飄々とした父を好演する原田と、清楚な美しさを自然に体現する宮沢とのコンビネーションが素晴らしい。宮沢は本作でキネマ旬報主演女優賞を受賞した。(増當竜也)

テーマはもちろん軽いものではありませんが、思わず目を塞ぐという描写はありません。

SFでも血が飛ぶシーンなど苦手ですが、そういう描写で訴える映画ではないので、観ることができます。

書籍『夜と霧』ヴィクトール・エミール・フランクル

ヴィクトール・エミール・フランクルの『夜と霧』は、連れ合いや両親を殺されながらもナチスの絶滅収容所から奇跡的に生き残った精神科医師が自らの経験を語る、人間の悲惨な面と悲惨な状況の中でも数は少なくても良心をもって生きようとした人、人間の両面が描かれた本です。

『夜と霧』も旧版ではナチスの残虐性を描写した「解説」60ページと「写真・図版」が本文の前にあります。
これはヴィクトール・エミール・フランクルの原著にはないものです。

池田香代子さんが訳した【新版】にはこの描写はありませんので、こちらを読んでみてはいかがでしょうか。

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みすず書房ホームページ 夜と霧【新版】のページ

目次

心理学者、強制収容所を体験する
知られざる強制収容所/上からの選抜と下からの選抜/被収容者119104の報告――心理学的試み
第一段階 収容
アウシュヴィッツ駅/最初の選別/消毒/人に残されたもの――裸の存在/最初の反応/「鉄条網に走る」?
第二段階 収容所生活
感動の消滅(アパシー)/苦痛/愚弄という伴奏/被収容者の夢/飢え/性的なことがら/非情ということ/政治と宗教/降霊術/内面への逃避/もはやなにも残されていなくても/壕のなかの瞑想/灰色の朝のモノローグ/収容所の芸術/収容所のユーモア/刑務所の囚人への羨望/なにかを回避するという幸運/発疹チフス収容所に行く?/孤独への渇望/運命のたわむれ/遺言の暗記/脱走計画/いらだち/精神の自由/運命――賜物/暫定的存在を分析する/教育者スピノザ/生きる意味を問う/苦しむことはなにかをなしとげること/なにかが待つ/時機にかなった言葉/医師、魂を教導する/収容所監視者の心理
第三段階 収容所から解放されて
放免
『夜と霧』と私――旧版訳者のことば(霜山徳爾)
訳者あとがき

【編集後記】

平和の問題は8月だけテレビに溢れると揶揄されることがあります。

8月でもいい映画やドラマがあれば録画してあとで観ますが、普段から少しづつ観ていけると良いのではないでしょうか。

私は東日本大震災にまだ向き合えていません。

やっとドラマを少し観られるようになってきましたが、ドキュメンタリーや直接の映像は見ることができません。

助からない映像は苦しくて見られません。

以前、「東日本大震災」でGoogle検索したところ、トップのページで表示された画像にあまりにも驚いて、それから検索しないように気をつけています。

被害に遭われた方や支援の活動をしている方には誠に申し訳ないことですが、無理ではない範囲で少しづつ向き合えるようにしていきたいと思います。

もちろん、年金・社会保険、労働相談、生活保護相談などで、被災された方の問題に取り組んでいきます。

あじさいの花が小さく少しだけ咲き始めていました。
季節はどんどん変わっていきます。

今日の1日1新:有限会社ワーカーズコレクティブ 歩 のクッキー

http://wocayumi.sakura.ne.jp

サクサクしたクッキーです。美味しかったです。

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小倉健二(労働者のための社労士・労働者側の社労士)Office新宿(東京都)

小倉健二(おぐらけんじ) 労働者のための社労士・労働者側の社労士 労働相談、労働局・労働委員会でのあっせん代理 労災保険給付・障害年金の相談、請求代理 相談・依頼ともに労働者の方に限らせていただいています。  <直接お会いしての相談は現在受付中止> ・mail・zoomオンライン対面での相談をお受けしています。 1965年生まれ57歳。連れ合い(妻)と子ども2人。  労働者の立場で労働問題に関わって30年。  2005年(平成17年)12月から社会保険労務士(社労士)として活動開始。 2007年(平成19年)4月1日特定社会保険労務士付記。 2011年(平成24年)1月30日行政書士試験合格  
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