6/30(土)に岩波ホール(神保町)で映画『ゲッベルスと私』を観て、“ゲッベルスと私にならない”ためにどう考えるか?どう行動するのか?考えています。今日は“1人”をヒントにして3人の話から考えてみました。
映画『ゲッベルスと私』についての記事はこちらです。
「(映画)『ゲッベルスと私』、にならないために。」
写真ヒトラーにただ1人敬礼しなかった男、
小学校の卒業式でピアノ伴奏を拒否した音楽が大好きな女の先生。
そして、戦時中非国民だったと自称する数学者の故森毅さん。
“ゲッベルスと私にならない”ためにを、“1人”をヒントに考えてみました。
Contents
ヒトラーにただ1人敬礼しなかった男
ヒトラーにただ1人敬礼しなかった男。
拡大して見ると、ふてぶてしい顔をしているように見えます。
それと比べて、(映画『ゲッベルスと私』をみていただくとわかりますが、)
ナチスのヒトラーユーゲントの若者たちは綺麗な澄んだ瞳で身だしなみも良く美しいです。
ナチス党員だった彼はユダヤ人女性と結婚して除名されたそうです。
大相撲の千秋楽で起立して君が代斉唱せずに、座ったままでいるのはとても勇気がいるという話を本で読んだことがあります(『日高六郎さんの『戦後思想を考える』だったか)。
周りが全員やっていようが、オレはやらない、という行動を、日々の日常で少しづつでもやっていくことが、“ゲッベルスと私にならない”ために役立つでしょう。
協調性のある綺麗な瞳のファシスト(集団主義者)でいるよりも、
ふてぶてしい一人の行動をしていきましょう。
アウグスト・フリードリヒ・ランドメッサー(August Friedrich Landmesser) Wikipedia
小学校の卒業式でピアノ伴奏を拒否した音楽が大好きな女の先生。
私の上の子の小学校の卒業式で、音楽の先生が君が代の伴奏の時にピアノを離れ別の椅子に座って伴奏せず歌いませんでした。
私は仕事で出席しませんでしたが、子どもと連れ合いから話を聞きました。
音楽会があって上の子がドラムを叩くというので観に行ったときに、あまりに上手くドラムを叩く我が子に驚きましたが、演奏の指揮をする女の先生がとても嬉しそうにイキイキとしていることにも驚きました。
音楽が本当に好きな先生なんだな、生徒のためにというのもあるけれど、自分自身が音楽が好きでたまらないんだなというのが伝わってきて、いい人が先生になってくれたな!と嬉しかったです。
その先生が、卒業式で、君が代の伴奏と斉唱と起立の全てを1人で拒否したという話を聞いて、がんじがらめの公立小学校でも、周りの空気・圧力に流されずに、音楽が大好きな先生として、同調の圧力に流されずに、たった1人で、行動したことがとても素敵だと思います。
小さな公立小学校での小さな出来事です。
見えていないだけで、自分のしていることに、責任をもって生きている人が実際にいます。
そうやって生きていけるという実践者がいますので、できないわけではありません。
肩肘張って力んでという感じでなく、スッとやってしまえることがあります。
やっている人もいます。
“バラバラに逃げることやね。集団にいると「安心」はできるが「安全」ではないからね” 森毅さん
戦時中は、軍国主義が大嫌いで非国民だった森毅さん。
集団主義・ファシズムを軽蔑していますが、孤高の人ということはなく、肩に力が入っていない語り口調です。
本のタイトルを見ても、
ええやんか、
ええやないか、
ま、しゃあないか
ものぐさ、
寄り道、
チャランポラン
「みんなで渡ればこわくない」というのが流行した。ぼくは「ひとりで渡ればあぶなくない」の方が好きだ。
京都の東山三条に古い宿屋があって、そこに老犬がいた。彼は自動車の間を通って、旧国道一号線を悠然と横断するのである。その犬のように渡ればあぶなくないのだ。
見通しのよいところで、目立つ姿で渡りはじめる。世の中に自動車などというものが、あるはずがないという気分である。
けっして急がない
(最初から急いでいたのでは、いざというときに急げない)。自動車に気のつかないふりをする
(じつは気にしていてもだ)。これは、ひとりでないとダメだ。
そんなヘンな奴が二人もいつはずがないと思われてしまう。
二人のうちのどちらかが、注意をして引き止めるだろうなどと、期待されてしまう。
みんな手をつないで、こわごわ、しかも急いで進んだりするほうが、よほどあぶない。
ひとりだと、わりと安全なものだ。
『チャランポランのすすめ』ちくま文庫 森毅著
どうでしょうか?
“ゲッベルスと私にならない”ためにどう考えて、行動するか、参考になりそうではありませんでしょうか。
森毅さんの本は図書館に何十冊もあります。週末の休みにカーリルで探して図書館で借りてみませんか。
カーリルについての記事はこちらです。
「お金がない!無料(ゼロ円)で学べる方法 カーリルを使って便利に図書館から本を借りよう!」
【編集後記】
もともと協調性にとぼしい私ですが、その場の雰囲気に流されて同調したい気持ちになることもありますので、YesもNoも流されずに言えるよう日々トライしています。
少数意見でも(きちんとした行動が伴っている人なら)良いと思えばYesと言い、
人柄が良い方が音頭をとって協調性を求めてくる場面でも、おかしい内容のことならNoと言うように、日々トライしています。
コツは、考えすぎる前に、
“それ、いいですねー”とサッとYesを言ったり、
“あー、私はそれはしませーん”とNoをサッと言ってしまうことです。
空気を読まない、読めてるのに気がついていないテイで行けるために、
流されていない人の、芸風も見習ってみるのも良いかもしれません。
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